自己紹介
名前:将
出身高専:奈良高専 機械工学科
学科順位:1年次 2位 2年次 5位 3年次 3位 4年次 1位
受験年:2022年
受験大学(受験科目):北海道大学工学部 機械知能工学科機械システムコース
併願大学:大阪大学工学部 三重大学工学部 和歌山大学システム工学部
部活や資格:男子バレーボール部部長 体育部会長 TOEIC460点
TwitterID:@nara_hoku
なぜ編入をしようと思ったか
北海道への強い憧れがあり,札幌のど真ん中にあるのがとても魅力的だったから.
ハイブリッドロケットやプラズマの研究に興味があったから.
成績と調査書に自信があったので,旧帝大で推薦があるところを探したところ北海道大学があったから.
学年ごとの勉強内容
1~3年
定期試験の点数は8割以上を維持できるように頑張っていた.
受験勉強は特にやっていなかった.
高専からなら旧帝大への編入がワンちゃんできるんじゃないかと思っていたので,たまに旧帝大の編入状況を確認していた.
部活はバレーボールをしていて,1年生の頃から試合に出させてもらっていたので休まないように頑張って参加していた.
シーケンス制御の活動をしていて,コンテストに出場したり制御キャンプに参加したり,また制御した内容についての論文を書いたりした.
様々な活動を行っていたので調査書にはたくさん書けることがあり,有意義だったと感じる.
コロナで部活がなくなり,遠隔授業にもなったので社会経験を積むためにアルバイトを2年生の終わりから始めた.
4年前期
バレー部の部長やアルバイトをしていてあまり勉強の時間は多く取れなかった.4年生は課題も多くほんの少し数学の勉強をしただけだった.TOEICの勉強も少しずつ始めた.高専生活の中でもこの時期が一番しんどい時期だった.
4年後期
部活を引退した後はさすがに前期よりも楽ではあったが,アルバイトはマネージャーに昇格したことで忙しくなり,夏休みにはインターンシップ,3か月ほど自動車教習所に通うなどまとまった勉強時間はなかなか取れなかった.TOEICも点数が上がらず,自分はTOEICは捨てることにした.しかし,定期試験は変わらず頑張り,部活引退後からは成績が上がって首席になることができた.11月頃に第一志望を北大の特別選抜,第二志望を阪大,第三志望を三重,第四志望を和歌山に決めた.決め方としては受験科目や例年の受験日程を確認しながら決めた.
アルバイトは学年末テスト前に辞めることにした.
学年末テスト終了後,ほかの受験生と比べて確実に遅れを取っていると感じたので,春休みに滅茶苦茶勉強をした.春休みにした勉強は数学と物理である.詳しい内容は参考書紹介で述べる.北大の小論文の過去問を確認し,小論文の書き方の本や新聞の記事,先生から借りた日本機械学会誌を読むようにしていた.
5年前期
数学と物理の勉強を引き続き行っていた.平日5時間,休日8時間を目標にやっていた.4月下旬から北大の小論文の練習を始めた.5月中旬から面接対策の練習を始め,本番までに3回ほど面接練習をした.正直言って阪大に受かるのは自分の学力ではほぼ不可能だと思っていた.そのため,なんとしてでも北大の特別選抜に受かりたいと思って,小論文と面接練習をした.
試験当日
試験内容
調査書30点 小論文40点 面接30点
調査書
成績も調査書もよく確認されていると感じた.自分はTOEICの点数は最低ランクだが調査書は最強だと思っていた.合格した要因として4年次が首席だったこともあるだろうが何よりも調査書の内容の豊富さが大きかったのだろうと感じている.これを見ているあなたがもし,まだ低学年ならば様々な活動をしておくことをお勧めする.
小論文
学科によって内容は異なる.
北大工学部のホームページに掲載されているが,ここで大まかな内容を伝えるとすると機械知能工学科を志望する場合,エネルギー関係(バイオマス燃料や再生可能エネルギー等),自動車関係(EV車や自動運転等),AI関係などが出題される.そのため日頃からこれらの情報収集をしておくことが大事だと感じる.
テストのときは2時間で2問出題され,A4用紙の5分の4ほど空白があり,そこに記入していく.残りの5分の1は受験番号を記入するスペースで裏面の使用は禁止.小さい文字で書けばたくさん書くことはできるが自分は文字を小さく書くのが苦手なので一問当たり800~900文字ほどにした.小論文は基本的に1時間の場合,800文字前後書くように指示されることが多いのでこの判断は間違っていなかったと思う.
自分は小論文を書くうえで起承転結を意識した.
- 起:問題のテーマを明確にし,どのような内容について自分が触れていくのかを記す.文量は全体の2,3割.
- 承:問題の課題点を書き,それに対しての自分の意見を述べる.文量3,4割.
- 転:課題点の解決策を具体例を混ぜながら記す.文量3,4割.
- 結:自分の意見を簡単に分かりやすくまとめる.文量1割.
起承転結のうち,承と転に自分の知識の深さをアピールするようにした.具体的には実際に企業名を挙げたり,地域を挙げたりする感じである(これが正解なのかはわからない).小論文を読むのがどの教授なのかはわからないので小論文の正解を模索するのは困難である.
自分は最初の10分でアイデアを出し,書く内容をまとめ,35分かけて800文字以上をかき,5分見直しに使うという時間配分をできるようにしておいた.そのおかげで実際のテストでは120ー(10+35+5)×2=20分があまり,かなり余裕をもって誤字脱字チェックをすることができた.
面接
募集要項には学力に関する口頭試問を含むと記されているが機械知能工学科では例年口頭試問は問われないことが多い(あなたが受ける年に出題されても責任はとれません).しかし,他学科では口頭試問が出題された.情報エレクトロニクス学科は出題されることが多いらしく,電気制御システムコースを受験した知り合いは数学,物理,電気回路が出題されたらしい.
数学
直行行列の意味と証明とそれを使った計算
物理
剛性の慣性モーメント
電気回路
共振回路の合成抵抗と共振条件
面接は15分ほど,教授は3人,穏やかな雰囲気
面接内容とは過去の受験生の内容もまとめると以下のとおりである.
- 志望動機とこれまでに学んできたこと
- 高専で頑張ったこと
- 研究室見学をしたのか
- 大学でしたいこと
- 卒研について
- 志望した研究室に入れなかった時はどうするのか
- 大学院に行く経済的余裕はあるのか
- なぜ北大?ほかの大学ではダメな理由があるのか
- 英語学習について(TOEICについて,5年生以降の英語学習について)
- 3年次編入になるが人間関係がうまくできるのか
- 高専に入った理由,高専のデメリット
- 得意なことや科目,不得意な科目はあるのか
- インターンシップについて
- テストの難易度や内容はどうだったか
- 就職したい企業はあるのか
- 将来のビジョン
- 編入勉強で何をしたのか どれくらいしたのか
- 逆質問
この中でも出やすい質問は以下のとおりである.
- 志望動機とこれまでに学んできたこと
- 卒研について
- 志望した研究室に入れなかった時はどうするのか
- 英語学習について(TOEICについて,5年生以降の英語学習にについて)
- テストの難易度や内容はどうだったか
- 逆質問
後輩に伝えたいこと
倍率は例年3倍ほど.昨年は約50人ほどが特別選抜を受けており,合格者は22人.今年は59人受けており,合格者は同じく22人であった.合格者の内訳としては応用理工系学科5人,情報エレクトロニクス学科6人,機械知能工学科4人,環境社会工学科7人が基本になると思われる.
北大の学力試験は合格者は10人程度だという噂があるので,特別選抜の方がまだ受かりやすいのでは?と個人的に思う.
小論文は練習しないと絶対にかけないので甘く見ないように!
受験生の中で自分はこれができないからこの大学には受からないだろうと考えている人もいるかもしれないが,それは他の受験生も思っているし,ほかの科目で挽回すればいいだけなので心配しすぎる必要はない.自分はTOEICが460点だったし,入学願書の写真は提出後に私服で撮影していたことに気づくし,試験当日は周りがガチガチのスーツ姿のなか,自分だけネクタイ無しの運動靴という場違い感を感じたが何とかなった.積み重ねは大事だが頑張ればなんやかんや受かるので頑張ってほしい.
オススメの参考書
数学
編入数学徹底研究(聖文新社)
先輩方で何周もこの参考書を活用したという人もいるが自分はこの参考書は1周で十分だと思う.理由としてはこの参考書が比較的解きやすく問題が作られているし,この実際にはあまり使わない解法も載っているからである.解説は詳しいのでほかの参考書や過去問をやりながら,少しわからないところがあったら覗くという感じで活用すると良いと思う.
編入数学過去問特訓
この参考書はマジでオススメ!
やればやるほど実力がつくので繰り返しやるべき.
さらに参考書をやることで様々な大学の大まかな数学の難易度が分かるのでこの参考書をやりながら志望校を考えることもできる.この参考書で阪大数学の恐ろしさを知る.
大学編入のための数学問題集(大日本図書)
1問が短めで短時間に解くことができ,編入数学過去問特訓に載っていない問題も多々ある.自分は補足参考書として使っていた.
物理
基礎物理学演習(共立出版株式会社)
有名な物理の問題が多く載っている.北大の学力の過去問はさほどやりこんでいないためわからないが,和歌山大学の過去問にはこの参考書に載っていた類問が多く出題されていた.
演習力学(サイエンス社)
どの参考書が良いのかいまいちわからなかったのでとりあえずやってみた.やった後も良い参考書なのかわからなかった.