編入体験談

2023年:電気通信大学 Ⅱ類 先端ロボティクスプログラム

自己紹介

名前:はげのげん
出身高専:函館高専 生産システム工学科 機械コース
学科順位:1年次:1位 2年次:2位 3年次:3位 4年次:6位
受験年:2022年
受験大学(受験科目):電気通信大学 Ⅱ類 先端ロボティクスプログラム 面接・数学(微積)・物理(力学)
併願大学:広島大学 工学部 第二類 電気システム情報プログラム
部活や資格:ロボット研究会(ロボコン出場)、TOEIC605点
TwitterID:@omoemonomoiyo

なぜ編入をしようと思ったか

自分で言うのもなんですが、常に上位にいたので周囲や先生に大学に行ったらどうかと言われ続けていたからです。また、両親が大学に行っていたというのもありますし、都会の大学生活に憧れていたというのもあります。こんな不純な動機でも将来のメリットは大きいので、大学に行きたい思いがあれば他に何も必要ないと思います。

科目ごとの勉強方法

数学

受験勉強については、本当は良くないのですが、5年生が始まる前の春休み(2022年3月)から本格的に始めました。春休み中は、授業で使っていた教科書をすべて読み返し、ワークをすべて解きました。基礎から叩き直したいという方はこれで十分すぎると思います。普段の授業を真面目に受けていれば、忘れていてもすぐに思い出せます。

4月からは、『大学編入試験問題 数学/徹底演習』という教材で勉強していました。ご覧の通り、時間が圧倒的に足りないので、習ってこなかった行列の線形写像や基底などを中心にやり、他のところは一通り流してやりました。受験勉強は短時間に詰め込むより、長い時間でそこそこやるのが大事です。(ここ重要)

※他の方の体験談を見ると、圧倒的に『編入数学徹底研究』をおすすめしていますが、私はやりませんでした(やろうと思って図書室行ったら貸し出されてて、わざわざ買う気にもならなかったからです)。ですが、皆さんがおすすめするくらいなので、やって損はないと思います。むしろやるべきです。

物理

受験勉強については、5年生の4月になってから本格的に始めました(何度も言っているように、本当に良くないです!)。教材は『基礎物理学演習Ⅰ』(力学・熱力・流体・波動等)を使いました。誤植が多いことで有名ですが、別の受験生の方も使っていたので、そこそこいいものなのかなと思いました(Ⅱのほうには電磁気と現代物理学が収録されています)。

機械系なので、四力(熱力学・流体力学・材料力学・機械力学)は授業や定期テストで相当勉強してきたので、基礎というよりも編入試験対策程度しかやりませんでした(事前に選択式だということを知っていたので絞っていました。むしろそこにすべてをかけていました)。

これは本当に良くないです!物理だけでなく数学にも言えることですが、推薦の試験が終わってから学力まで3週間しかありませんので、最初から学力を受けるつもりで勉強をした方がいいです(推薦は半分落ちますので、地方大学の感覚でやっていると落ちます)。(何なら僕は学力の1週間前に併願していた広島大の受験があるはずで、そこでは電磁気と電気回路の口頭試問があるはずでした。もちろんどちらも勉強していません)。

今回の僕は運が良かったのでこれで受かりましたが、反面教師にしてほしいです。

化学

特にありません。

英語

特にありません。TOEICの提出もありませんでした。(学力だと長文読解と英作文がありますので、コツコツ勉強しておきましょう)

専門科目

特にありません。

試験当日

試験内容

まず、そもそも私は推薦で合格しましたので推薦の内容のみとなります。HPに過去問が5年分アップされてますので、一般の問題の傾向などはそちらで確認できると思います。

推薦の仕組みについてですが、面接・口頭試問(数学・物理)の3つのパートがあり、受験生を3グループに分け、面接→数学→物理の順に各10分で行いました(私は第2グループだったので、数学→物理→面接の順でした)。

数学と物理の口頭試問は、「口頭」のはずなのに、部屋に入るとホワイトボードの前に立たされて、紙が置いてあり「1分で解く問題を選んでください」と言われ、ホワイトボードに書いて解いていきます。終了5分前と1分前に教えてくれます。

数学

話を戻して、数学の試験内容は微分積分と線形代数(行列)の2つからどちらかを選んで解答する形式でした。私は微分積分を選択しました(行列の基底のところがイマイチよくわからなかったので)。以下に問題を書いていきます。(読みにくくてすみません…)

(1)f=log(1/(√(x^2+y^2)))をf=Alog(√(x^2+y^2))と変形した時のAを答えよ。
(2)fxとfyを求めよ。(偏微分)
(3)(1/√2,1/√2)の点におけるfの接線の方程式を求めよ。
(4)0<x,y<1、0<√(x^2+y^2)<1の範囲でfを重積分。

でした。(1)(2)は難なく解けましたが、(3)で=0だということがすっぽ抜けており、そこで時間を使ったため、(4)は途中で終了しました。

物理

物理の試験内容は力学・電磁気・電気回路・情報の4つの中から1つ選んで解答する形式でした。私は力学を選択しました(機械系だったので他は捨てていました)。以下に問題を書いていきます。

概要としては、坂を滑らずに転がる剛体(円盤)の問題でした。

(1)並進運動に関する運動方程式を表せ。
(2)回転運動に関する運動方程式を表せ。
(3)滑らずに転がる際に成り立つ速度と角速度の関係を表せ。
(4)並進運動の加速度を重力加速度と坂の角度だけで表せ。

でした。すべて難なく解くことができ、2分ほど時間が余ったので、試験官の先生に「最初から説明して」と言われました。原理がわかってれば説明もそこまで難しくないはずです。

数学と物理の両方に言えることですが、(1)の答えを(2)で使い、さらに(2)の答えを(3)で使い…というように、前の答えを使うような問題が特徴になっていますので、参考にしてもらえればと思います。

高専の先生方に言われたり、他の方の体験談を読んだりして感じたことは、推薦の点数は「調査書(高専での成績)30%、数学・物理の口頭試問それぞれ30%、面接10%」だということです(あくまで個人の感想です)。

実際私はあまり成績が良い方ではありませんでしたが、数学はそこそこ、物理は完璧だったので受かることができたのではないのかなと思っています。別の大学を受験した友人は「面接は良かったけど口頭試問がボロボロだった」と言い残して不合格になっています。それだけ口頭試問は重要だということです。たかだか10分間だけですし、逆に言うと10分で解ける程度の問題しか出ませんので、学力のための勉強をしていると全く問題なく解けると思います。

最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。長々と失礼しました。

面接

主に志望動機と卒業研究について聞かれました。むしろ、これしか聞かれないと思って答える準備をしてください。

志望動機や卒業研究の内容で気になったところをさらに深掘りされる感じなので、周辺の知識や情報をくまなく調べておきましょう。卒業研究は「まだテーマがきまったばかりです」で全然OKです。むしろ卒業研究の担当の先生に勉強しろと言われるのが普通です。

卒業研究はテーマが決まったばかりだからと言ってそれで終わりでなく、何をしたいのか、何をすればその研究のゴールだといえるのか、それをするにはどういうアプローチが必要で、何を学ばなければいけないかなど、実際にこれから研究していく内容を具体的に決めておくとなお良いです(その後の卒業研究もすんなりいくとおもいます)。

最後に「何か言いたいことはあるか」というお決まりのやつがありました。ここは特に何がいいというのはないですが、私は「入学までにやっておくべきこと、学んでおいた方が良いものはあるか」と逆質問しました。英語だと言われました…。参考にしてみてください。

先生方は朗らかに話してくれて、緊張するだけ無駄だなと思います。言葉に詰まってもフォローしてくれるので、深呼吸して落ち着いて話せば何の問題もありません。ぶっちゃけ、先ほども言いましたが、面接はあまり関係ないので、変なことさえ言わなければ問題ありません。

後輩に伝えたいこと

勉強していると心が病んでいきます。好きな音楽を聴いたり、友達と話したり、遊びに行ったり、のんびりと勉強することをおすすめします。そのために、普段の授業をしっかりと聞き、受験勉強は早く始めましょう。

受験でせっかく東京に行くので、受験の前の日にでも行きたいところに行って、買いたいものを買って豪遊しましょう!金をたくさん使うとスッキリしてグッスリ寝れるかもしれません。受験が終わった後のことを考えたりすると、晴れ晴れとした気持ちになりますよ。受験勉強で犠牲にしてきたことを思いっきりやればいいのです。

最後に、体験談を読んでいるあなたは、他の受験生よりも1歩進んでいます。モチベも上がるし焦りも出てくる。スタートダッシュに成功したからこそ、ここからさらに差を広げるべきです。そこでやるべきことはただ一つ。勉強することです。勉強は嘘をつきません。どんだけ走りこんでもボルトより速く走れませんが、たくさん勉強すればノーベル賞を取る可能性も十分あります。楽していい結果になることはまずありません。毎日少しずつでいいので、継続してみてください。

長文失礼しました。

すべての受験生に幸あれ!

オススメの参考書

  • 大学編入試験問題 数学/徹底演習
  • 基礎物理学演習Ⅰ

(他の方のも参考にしてください)