自己紹介
名前:アルパカ
出身高専:奈良高専物質化学工学科
学科順位:1年の後期以降は大体20~29位を前後していた(3年の前期中間は違うことに集中してドベ3だったことはあった)
受験年:2018年
受験大学(受験科目):広島大学理学部数学科・数学&面接
併願大学:神戸大学理学部数学科・岡山大学理学部数学科・奈良高専専攻科・豊橋技術科学大学情報知能工学(等とにかく受けれる所は今後の将来の参考になることも含め受けた。)
部活や資格:水泳部・数学同好会・クイズ研究会 防災士(高専在学時に集中講義で取得)
TwitterID:@takkerberg
なぜ編入をしようと思ったか
名古屋大学数学コンクールで団体戦大賞を取った時に数学科編入のことについて知った。元々数学に興味はあったので、これを機に数学科編入をしようと決心した。
科目ごとの勉強方法
数学
専門科目にあえて書く。
物理
特になし。
化学
これについては他の人の勉強法を見た方がいいと思う。基本、専攻科に受かる程度の教科書の復習程度しかしなかった。(高専専攻科の戦略としては普通の人とは別の戦略を立てていた事実があるので)
英語
数学英語を課す大学があったので、数学英語の英単語位は復習
元々英語はある程度できていたので、TOEIC対策や文法の復習がメインだった。
専門科目
工学部で数学が課される所は大抵、
- 微分積分学
- 線形代数
- フーリエ級数
- 複素解析
- 確率統計
がメインだが、理学部数学科では
- 微分積分学
- 線形代数
の理学部数学科で習うようなレベルの問題が出され、工学部で出るような数学よりは断然難しい。
とはいえ、基礎の内容は高専で学ぶことがベースなので、4年の後期辺りから主にそれの復習をした。
使用した参考書は、編入の線形代数徹底研究・編入の微分積分徹底研究・マセマの線形代数・高専1~2年在学時に通っていた塾のテキスト(非売品)を使用した。
(今思えば、もう少し良いやり方があったと思った)
5年生では、参考書で復習を行いつつ、理学部数学科の過去問を解き、教員に添削をしてもらうことがメインだった。
全体的に、他の人とは違い、短期決戦で挑んだと言っても差し支えないと思う。
試験当日
試験内容
全体を通して、この年は(後輩も言っていたが)難しい年だった。ボーダーライン的に何点なのかは分からないが、「普通ではありえない点数でも合格になった」レベルの難易度だった。級数の収束発散の判定・証明問題
多分できたと思う。
確率の要素も入った固有値・固有ベクトル問題
前半は考えればできるが、(4)はかなりしんどかった印象が(2年半前の記憶なので曖昧)… (1)の漸化式が合っていれば(3)までは合ってるはず。4番も多分正解はしたと思うが、記憶にない。
2変数関数の連続性・偏微分可能性の問題
高専で学ぶ内容とは全く違いできなかった。ただ、白紙にするのは勿体無いので、何かしら多くのことを書いた記憶がある。(最低限偏微分することはできるので、それを行なったりした。)
ベクトル空間の問題
この手の問題もあまり扱ったことがない問題だったので、あまりできなかった。(辛うじて(3)はできたかなというイメージ)
三角関数を用いた積分の問題
もうこの次元に来ると「何を言ってるのか分からない次元」だった。実際、何かしらの式変形はしたが、全然できなかった。ちょうど僕の受験した年から、出題の意図が理学部HPで出てきたので見たが、「ひらめきを必要とする問題」と書いていた。
面接
「2018年7月6日に行われた編入学試験」ということもあって、実は編入後に某教員が言及した話なのだが、「面接をしない」ないし、「編入試験を順延する」というレベルの緊迫した状態だった(この付近に何が起こったのかを調べれば直ぐに分かるはず。ちなみに、2年後の編入試験はこの時の教訓が生かされた形になった)。
実際なんとか面接は行われたが、「学力試験と面接の間の休憩が2時間」ということもあってか、意味深な面接部屋の分かれ方になった。(結局、その意味深が現実になったのは7月26日の合格発表の時だったが)
内容としては、
- 志望動機
- 将来の進路
- 大学編入後にどんなことをしたいか
- いままでどんなことに興味を持ったか
- 高専の数学の内容について
- 志望動機についての言及
- 実は志望動機にSIMCについて触れたため、どのような問題が出されたのかを黒板に書かされたりした。途中、面接教官から多面的な視点での問題についてのコメントがあったりした。
で、最後に合格して編入した後の注意点の説明があった。(最後の部分で少しネタバレが起こりそうになった)
後輩に伝えたいこと
本来、自身は神戸大学・岡山大学に照準を当てて勉強を行なっており、実は広島大学の対策は一切していなかった。結果として、対策を行なっていた学校は不合格(神戸大学はセミナー形式の面接不合格・岡山は日程的に被っていて受けられなかったはずだが、追試で別日で受けることになり、気が緩んでしまったこともあり不合格)になり、広島大学に合格するという逆転現象が起きてしまった。
また、編入試験の過程でいくつか選択肢があった。実は、当初編入試験は自力で会場に行こうと思っていたが、最終的に親の送迎で行くことになり、結果的に親の送迎がなかったら、神戸大学の編入試験に間に合うどころか、しばらく陸の孤島に取り残され、学校に通うこともできなかったかもしれなかった。そういう意味で、「編入試験は合否も含めて何が起こるのか全く分からない」ことを思い知らされた。
これだけは伝えておきたいが、僕は人一倍勉強はあまりせずに数学科編入に成功したと思っているので、実際は僕がやった受験対策より多くのことを勉強しないと合格しないかもしれない。(近年、神戸・岡山は学力試験の難易度は易しくなっているが、それでもそれなりの勉強はする必要がある気がする。僕は数学の教員に頼ることはあまりしなかったけど、頼った方がいいと思う。)
あと、編入試験は分からない問題であっても分からないなりに書けば評価してくれることもあると思うので、諦めずに頑張ってください(多分、広島大学はそこの所を評価してくれたのではないのかと思っている。)。
広島大学についてや数学科編入対策や数学科編入後の単位変換などについて知りたい人は、TwitterIDを載せているので、遠慮なく質問・相談しにきてください。
オススメの参考書
初学者向け
- 実教出版の「新版微分積分II」・「線形代数」
- 基礎は高専の教科書に戻るべし
- チャート式
- 僕の在学時は赤チャートなどで非常に役に立った。つい最近、大学教養の本も出た話を友人から聞いた
数学の大学教養レベルを勉強したい人向け(工学部の編入含む)
- マセマの「キャンパス・ゼミ」(微分積分と線形代数)
- 編入の線形代数徹底研究
- 編入の微分積分徹底研究
数学科の大学編入したい人向け
多分、この本を初学者で読むのは難しいという話を聞いたことがあるのでご了承を
- 理工系のための微分積分I・II
- 線型代数学入門
- 通っている大学は左の東京図書の本を教科書として挙げられているが、上に挙げたマセマの本でも十分な対策はできると思う。
- 解析入門I・II
- 杉浦先生の本
- 編入試験の過去問
- 最後はこれに頼る。ちなみに、神戸大学と広島大学の過去問はHPに大量に転がっています。岡山は現地に行けば最新のも含めて多くの過去問を手に入れることはできます。ただ、いずれも解答はないので、添削してもらう必要はあります。