編入体験談

編入体験談 京都大学 工学部 物理工学科 2016

自己紹介

[名前]Y.U
[出身高専 学科]明石工業高等専門学校 機械工学科
[学科順位]1年:12位 2年:6位 3年:3位 4年:3位 5年:3位
[受験の年]2016年度(2017年度編入学)
[受験大学] 京都大学 物理工学科 機械システム学コース
[試験科目]英語(TOEFL) 数学 物理・化学 口頭試問(専門科目)
[併願]大阪大学 基礎工学部 システム科学科(合格) 東京工業大学 機械知能システム学科(合格)

動機

大学編入を希望した理由は、勉強のできる環境に行って好きなことを学べる期間が欲しかったからです。機械系と電気・情報系のどちらも学びたかったので、学科は機械系にして電気・情報系は個人で学ぶつもりでした。ゼミや図書館などが充実しているため、いい選択だったと思っています。

最終的には事前の研究室見学で設備の説明を受けていたことと、ネームバリュー、地理的に関西の方が気楽でいいかなということから京都大学を選びました。

受験日程

4月頃:募集要項申し込み開始
6月頃:募集要項〆切
7月頃:TOEFL〆切
8月末:試験(2日間)
9月上旬:合否発表

学年ごとの勉強内容

1年~4年

特に編入の勉強はしていません。4年生のときは関西の大学(大阪大学や京都大学)にお願いして研究室見学をさせて頂いたりしていました。そこで大体の受験する大学を絞って最終的に合格した中から選ぼうと思っていました。

5年4月~5月

英語の対策を行いました。京大が英語の代わりにTOEFL ibtスコアの先行提出(7月頃)なので主にその練習をしていました。公式の問題集が非常に役に立ちました。早めに受験申込をしないと近場の会場が埋まってしまったりするので注意が必要、受験からスコアが届くまで3週間ほどかかるので余裕をもったスケジュールが必要です。身分証明書も厳しくチェックされるので必要物の事前確認を忘れずに!TOEFLをやりつつ他大学の英語も過去問を解きながら対策しました。

5年6月

数学や物理の対策を行いました。ひたすら問題集や過去問を解いていきました。授業で習わなかったところも普通に出るので、傾向を調べつつ、詳しく幅広く説明してある参考書を各教科用意するべきだと思います。

5年7月

専門科目の対策を行いました。阪大の基礎工学部の試験が迫っていたので、材料力学、熱力学、流体力学、機械力学の4力の対策を行いました。基本は授業でやったことを見返しつつ、より詳しいところまで解説してある参考書を用意して知識を補いました。

5年8月

化学の対策を行いました。あまり高専の授業ではあまり詳しく習わなかったため個人での勉強が必須でした。物理的なところで説明できる範囲から対策していき、暗記系のところは後回しにしました。割と過去問から傾向が読みやすい科目ではあると思うのである程度ヤマを張ってもいいと思います。もちろん全部押さえておくことに越したことはありませんが、時間が足りませんでした。

全体を通して

5年生の受験期間中はご飯や研究、授業中以外は常に土日も含めて学校で勉強をしていました。クラスメイトや教授に分からないところを質問することができたので理解の手助けになったと思います。飽きたら無理せず体を動かしたり、音楽を聴いたり気分転換するようにしていました。夜遅くまでは勉強せず、22時ごろには寝ていました。

試験内容

英語(TOEFL)

得点52点 (Reading 17点 Listening 7点 Speaking 14点 Writing 14点)

合計4時間ほどの長いテストなので過去問などで慣れておく必要があります。詳しくは参考書を読んでいただけば形式などわかると思います。リスニングが苦手だったのでそれ以外の取れそうなところを重点的に対策しました。

数学

出来9割ほど

試験時間120分

微分方程式、行列の固有値、重積分からの出題でした。例年に比べて解きやすい問題が多かったように思います。行列の問題はグラフ理論などの知識があればより解きやすくなっていましたが、そうでなくても十分に解けます。

出題範囲は毎年変わっている印象で、計算量が多かったり、難易度が高かったりする問題もあります。計算を楽にする小技的な公式を知っておくと重宝すると思います。全体的に行列や確率問題はよく出る気がします。

物理・化学

物理出来9割ほど 化学出来5割ほど

試験時間120分

物理と化学を合わせて120分のため時間配分重要です。どちらかにウェイトをおいても全然かまわないと思います。自分は物理重視で、残った時間に化学の物理的なところや簡単な計算問題を解きました。

物理は惑星運動とマクスウェル方程式からの出題でした。どちらも基本的なところのみの出題だったので対策していれば解けるものでした。マクスウェル方程式はdivやrotなどの演算について理解している必要があります。

例年、力学と電磁気学から1題ずつでています。大学レベルの出題のため受験用に対策しなければいけません。

口頭試問

試験時間60分

最初に志望動機を聞かれたのちに、口頭試問が始まりました。

専門に関する問題が1問ずつだされ、ホワイトボード等を用いて教授(6人ほど)の前で解説しました。熱力学、流体力学、光学、工業力学からの全4問構成でした(各問いに小問あり)。問題を渡されたあとに考える時間は与えられず、すぐに説明しなければいけないため分かる情報を整理しながら落ち着いて解いていく必要があります。分からないところは教授に聞くのもありだと思います。

熱力学は逆カルノーサイクルのエアコンの必要電力、流体力学は支配方程式と無次元化の意味、光学は球形波の一般式と振幅、伝搬速度、周波数、エネルギーの関係について、工業力学はヨーヨーの運動についての出題でした。