自己紹介
[名前] S.H
[出身高専 学科] 群馬高専 電子情報工学科
[学科順位] 3年 1位 4年 2位
[受験の年] 2018年(2019年入学)
[受験大学] 東北大学 工学部 電気情報物理工学科(電気・情報関係5コース) (合格)
[受験科目]数学 物理 化学 英語(TOEIC)
[併願大学]東京大学(不合) 筑波大学(合) 首都大学東京(合) いずれも情報系学科
[部活や資格] バレーボール部
TOEIC
3年10月 530(IP)
4年 3月 520
4年12月 665
4年 1月 790(この結果を主に提出)
4年 3月 735
[その他経歴] 4年8月にオーストラリアに4週間留学
[SNS] 質問などあればDMください
@funyafunya0612
受験まで
[注意]
この体験記は第一志望に落ちた後(ここでは東大)、第二志望として東北大受験を迎えるという非常に絞った人を対象として書いています。東北大第一志望で受ける人にはあまり参考にならないかもしれないです。
動機
そもそも高専に入学したのがいい大学に編入学しやすいからというゲスい理由だったので1年生の頃から進学することは意識していた。しかし、いざその時が近づいてきてもこれをやりたい!!ってことが見つからなかったのでとりあえずネームバリューがあって群馬からそんなに遠くない東大,東北,筑波を受験することにした。
ただそれだけだと不安だったので滑り止めとして首都大を受験した。
7/1の東大の受験が終わるまでは東大の勉強(英数物)だけをしていた。
東大の試験は範囲が広いので東北の受験でもかなり活かされた部分があった。とはいえ、東大の受験勉強書いても役に立たないので以下の数学と物理の部分では東北大に向けて行った対策を書きます。
数学
傾向としては東北の数学は大問1が普通の微積、大問2が媒介変数などの変わり種の微積、大問3が数列か線形代数のどちらかである。それに加えて数列と線形代数は基礎的な内容がほとんどな感じがしたので、数列の基本的なところを抑えたあとは微積を中心的にやった。と言っても、難しい内容を勉強したというのではなく、曲線の面積やら体積を求める公式が全部使えこなせる程度。
物理
例年大問1が力学、大問2が電磁気学、大問3が波の干渉か高校レベルの熱力学です。
特に大問3では光の干渉系の問題が多く出てたので慌ててやりましたが、過去問を何年分も解いてるとほとんどのパターンが出尽くしていることに気付いて(光の干渉系の問題で残ってるのはニュートンリングくらいです。)、多分熱が出るんだろうなと悟りました。実際そうでした。
力学は名問の森を基本的に勉強しましたが、一部大学レベルの問題の対策として学校で使ってた教科書(わかりやすい理工系の力学)を勉強しました。電磁気学も学校で使ってた教科書を勉強しました。
担当の先生が章末問題の解説をアップしてくれていたので助かりました。熱力学はエントロピーなどの大学レベルの内容は捨てて高校レベルのことをリードαと2年生の頃使った教科書で固めました。
化学
もっとも力を入れて勉強したところです。過去問が全くわからないところから1ヶ月ちょっとで9割方わかるくらいまでに仕上げました。
流れとしては、まず大学入試の得点源(後ろの参考書紹介参照)で全体を薄くカバーし、覚えたほうが良さそうな化学式・反応式などをワードカードに書いて暗記しました。
次に計算問題の多い物理化学の内容をしっかり理解して、たまに出る大学レベルの内容に対応できるように化学の基本ノート(角川書店)を1周しました。
その後、学校で使ってた教科書(化学,東京書籍)の章末問題や記述問題を解いて全体を固めました。
途中途中でよくわからないことがあったときは物質系の学科の友達に聞いたり、新研究を読んでなんとかしました。
最終的には物理化学は大学入試の得点源[理論]に書いてある内容が一通りできるように、そしてエンタルピーやエントロピーなどの言葉の意味と定義式を覚えました。
有機化学は大学入試の得点源[有機]に書いてある内容を7割程度暗記し、無機化学はいろんな物質の生成法を頑張って覚えましたが、テスト前に覚えていたのは鉄,銀,カルシウム,ナトリウムの化合物と塩素,硫酸,硝酸の生成法くらいです。
英語
790点のTOEICスコアシートを提出。多分満点換算なんじゃないかなと思います。
試験前日
リッチモンドプレミアホテル仙台駅前に宿泊しました。値段はやや高めですが設備は文句なしです。仙台駅からも近いです。9時半にベットに入りましたが全く眠れなかったのを覚えています。
試験当日
試験初日(筆記)
7:30頃にホテルを出発しました。私服で行きました。
試験会場ではスーツの人も結構いました。試験前にスマホを大学から配られた袋に入れてしまうように指示されます。
数学と物理の試験中ずっと腹痛が辛かったのを覚えています。しかし、一度トイレに行ってもまた試験室に戻って試験を受けられたので助かりました。
試験2日目(面接)
7:30頃にホテルを出発しました。
この日はスーツだったので非常に暑かったです。筆記試験を受けた会場に全受験者が集まると、学科ごとに異なる面接会場へ案内されました。電気情報物理工学科は歴代校長の写真が飾られた広めの部屋で待たされました。
電気情報物理工学科で待合室は同じですが、応用物理学コースの人は別の面接室でした。待合室から1人ずつ名前が呼ばれ、面接室の前の椅子で待たされます。
その後先生が面接室から出てきて中に入るように言われました。詳しい面接の内容については試験内容の部分に書きます。
試験内容
数学
大問1が媒介変数についての問題。問1が増減表を書く問題、問2が面積を求める問題、問3が曲線の長さを求める問題でした。問1と問3はできましたが問2の積分が難しくて途中で諦めました。
大問2が球の交線についての問題が4問ありました。交線って何?!ってなってかなり焦りました。結局できそうな2問だけ解いて残りの2問は空欄で出しました。
大問3が行列についての問題です。行列の固有値と固有ベクトルを求めてn乗を求める問題と、対角化できない行列のn乗を求める問題がありました。対角化できない方は諦めました。
全体の出来としては6割ちょっとだと思います。
物理
大問1が減衰振動についての問題でした。まず、最初に普通の単振動の問題を解いた後、水の中でバネに繋がった球の運動についての問題を解きました。内容としては大学レベルで予想外だったので焦りましたが、学校の授業でやったことを必死に思い出して解きました。
大問2が導線の内部の磁界とインダクタンスを求める問題がありました。基本的な内容だったので問題なく解けたと思います。最後に鏡像法の問題があり、それだけ解けませんでした。
大問3は熱力学についての問題でした。気体の状態方程式と熱力学第一法則の式と理想気体の内部エネルギーの式がわかれば大丈夫だと思います。
全体の出来としては8割くらいだと思います。
化学
大問1がエンタルピーの計算問題でした。まさかの大学レベルの内容で焦りましたが、問題の誘導通り解きました。
大問2が電池か電気分解に関する問題でしたがよく覚えていません。最後だけ間違えたのを覚えています。
大問3が有機化学についての内容で構造異性体を書いたり適切な語句を選択する問題でした。他の大問に比べて問題が多めだったのを覚えています。
全体の出来としては9割くらいだと思います。
後輩に伝えたいこと
東北大の化学は決して難しくないので最初から捨てたりしないほうがいいです。数学物理についてもそうですが、しっかり基礎が使いこなせるようになることを重視しましょう。
メンタル面について
この体験記で一番伝えたかったことはメンタルについてです。一般的に東大は受験日が早いです(私の場合は7月1日)。そして、筆記が合格となれば面接で落ちる人はほぼいないので、東大筆記合格勢が受験日の一週間後くらいから流しの体勢に入ります(全員じゃないけどね!!)。
しかし、東北大の受験日は非常に遅い(私の場合は8月21,22)ので東大受験勢のみならず周りが遊び始めます。その中で勉強に対するやる気を維持するのが非常に難しかったです。それに伴い1日の勉強時間も平均にして1時間くらいは短くなっていました。たかが1時間と思うかもしれませんが、東北大を第一志望にしている人は気合が入って勉強時間が伸びてくるのでかなり厳しいです。私は周りの様子を見ながら今に見てろと恨めしい気持ちで眺めていましたが、人によってはあまり周りに目を向けないで済む工夫が必要かもしれません。
おすすめの参考書
数学
数学/徹底演習 第3版 林 義実・小谷 秦介 森北出版・・・
数学は基本これで乗り切りました。
大学編入のための数学問題集 碓氷 久 大日本図書・・・
解説が丁寧で難しい問題も扱ってます。
物理
名門の森(力学・波動) 河合出版・・・
最新の版より1つ古いやつをネットで安く書いました。微積は出てきませんが意外に難しいです。
電磁気学の基礎 湯本 雅恵 数理工学社・・・
うちの学校の電磁気の教科書として使われていたものです。章末問題の解説のURLはこちら
電磁気学演習新訂版サイエンス社・・・
例題を一通り解きました。電磁気でよく出てくる基本的な問題は全て載っていると思います。
リードα物理基礎・物理 数研出版・・・
熱,音,光についての問題を解きました。応用問題は東北大のレベルくらいのものが揃っていてよかったです。
化学
大学入試の得点源[理論][無機]有機 目良 誠二 文英堂・・・
化学の勉強において何が重要なのかをこの本で確認しました。化学の勉強で一番使ったと思います。大学入試で大事なことが1センチ程度の厚さの本にまとまっています。
理系なら知っておきたい化学の基本ノート[物理化学編] 岡島 光洋・・・
化学の先生に勧められた本です。大問1で出てくるような内容がわかりやすく書かれています。大学レベルの内容も書いてあります。
化学の新研究 卜部吉庸 三省堂・・・
非常に分厚いです。辞書的に使いました。