編入体験談

2025年:東北大学 工学部 電気情報物理工学科

自己紹介

名前:ral
出身高専:福井高専電気電子工学科
学科順位:1年次1位 2年次3位 3年次1位 4年次1位
受験年:2024年
受験大学(受験科目):東北大学 工学部 電気情報物理工学科(合格) 受験科目:数学、面接
併願大学:京都大学 工学部 電気電子工学科(不合格) 豊橋技術科学大学 工学部 電気・電子情報工学課程(合格) 福井高専専攻科(合格)
部活や資格:TOEIC810点、TOEFL58点

なぜ編入をしようと思ったか

興味のある研究室があり、国内でもレベルの高い学生が集まる大学だから。また、大学の規模の大きいため、様々な人との交流ができ、新たな経験が得られると思ったから。

学年ごとの勉強内容

1~3年

このころは編入することを全く考えていなかったため、テスト勉強以外は特に勉強せず、バイトなどをしていました。だた、定期試験の2週間前からテスト勉強をするようにしており、席次は1年次1位、2年次3位、3年次1位でした。

3年になったころにぼんやりと編入について考えるようになり、TOEICの勉強を始めました。この年の夏休み1ヶ月を勉強期間に充てて、夏休み明けに初めてTOEICを受験し、595点を取得しました。使用した参考書は「銀フレ」と「はじめて受けるTOEIC®L&Rテスト全パート完全攻略」です。

4年前期

4年の春から夏まで毎日TOEICの勉強をしていました。参考書は「金フレ」、「出る1000」、「公式問題集9」を使用しました。結果として、9月のTOEICで810点を取得することができたため、TOEICの勉強を終了しました。それ以外の勉強はほとんどしておらず、定期試験の勉強だけは真面目にやってました。

このころから志望校について考え始めましたが、最終的に決まったのは4年の10月くらいでした。

4年後期

受験する大学を京都大学、東北大学、豊橋技術科学大学、福井高専専攻科に決め、夏休み明けから編入試験の勉強を始めました。この時期からは、空き時間や放課後に図書館で毎日勉強していました。編入試験の勉強に注力したかったため、定期試験の勉強時間を可能な限り減らし、効率よく点数を取れるようにしていました。過去問などに頼って、うまくすきま時間を利用して勉強していました。席次は1位をキープしていました。

夏休み明けから数学の勉強を始めました。参考書は「編入数学徹底研究」を使用しました。1周目だったこともあり、時間がかかってしまいましたが、正確に理解することを重視して勉強しました。受験する大学の編入試験で出題されない範囲(複素解析、フーリエ変換、ラプラス変換)はとばしてました。それ以外は例題、類題、章末問題全てに取り組んでました。

この体験談は、東北大学についてのものなので詳しくは記載しませんが、受験する予定があった京都大学はTOEICではなくTOEFLが必要だったので、数学と並行してTOEFLの勉強も行っていました。勉強の割合は数学6:英語4くらいでした。TOEFLはTOEICより対策が難しく、多くの時間と労力を費やしました。

5年前期

5年になって卒業研究が始まりましたが、配属された研究室の先生から、卒研の時間に編入試験の勉強してよいという許可をもらいました。そのため、ほとんどの卒研の時間は編入試験の勉強していました。また、5年になってから授業の空きコマができたので、その時間も勉強していました。さらに、この時期からは、授業時間に内職をして編入試験の勉強をしていました。人にもよりますが、先生方も内職を容認してくれていたので、最前列で堂々と内職してました。

数学は編入数学徹底研究の2周目を6月までに終わらせて、その後は過去問を解いていました。東北大学の過去問だけでなく、京都大学、東京科学大学などの過去問にも取り組みました。4年後期の欄で述べましたが、5年前期でも京都大学の編入対策(物理、化学、専門)に多く時間を割いていました。そのため、5年前期に数学に割いた時間は全体の3割くらいでした。

学力試験の勉強だけでなく、面接の練習も始めました。研究室の友達や先生にフィードバックをもらって、改善するという作業を繰り返しました。上で卒研の時間はほとんど編入試験の勉強していたと書きましたが、面接で卒研に関して話せるように、卒研に関する勉強も行っていました。

試験当日

試験内容

ホテルは、仙台駅の近くにあるコンフォートホテル仙台西口に宿泊しました。一般的なビジネスホテルで特に不満はなかったです。ただ、寝具の関係かなかなか眠りにつくことができず、寝不足の状態で試験を受けることになってしまいました。そのため、持ち込めるのであれば枕などを持参した方がいいかもしれません。

試験内容を詳細に覚えているわけではなく、以下の内容にあいまいな部分があることをご了承ください。また、東北大学の過去問は取り寄せることができるため、実際に過去問を確認してみてください。

数学(80分)

大門1(行列)

逆行列を求める
固有値、固有ベクトルを求める
行列の対角化
行列の漸化式を求める
一次方程式に対して線形変換を行った後の方程式を求める

大門2(微分方程式)

ほとんど覚えてないです。ただ、導関数を求めたり、微分方程式を解いたりした記憶があります。

大問3(空間図形、ベクトル解析)

この大問は図がないと説明が難しいので実際の過去問をみてください。
問われた知識としては、内積、外積の性質、grad,div,rotの計算、線積分面積分、ストークスの定理などです。

手ごたえとしては8割くらい取れたと思います。大門2は完答でき、大門1と大門3合わせて2,3問誤答があったという感じでした。そこまで差が開くような試験ではなかったため、8割という点数は大きなアドバンテージにはならなかったと思います。

面接

面接官3人、所要時間は15~20分で以下の質問をされました。

  • 志望動機
  • 将来就きたい職業
  • 好きな教科
  • 学部卒業後の進路
  • 併願校とその合否
  • (志望動機で話したやりたい研究内容に対して)ほかの大学でも似たような研究室があるのになぜ東北大学を志望しているのか

面接の内容は一般的な内容だったので、ありきたりな質問に対して回答ができるようにしておけばいいと思います。また、卒業研究についての質問は一切ありませんでした。

上の質問に加え、軽い口頭試問がありました(募集要項には記載がなかったのに)。

  • 虚数の平方根√iを求める
  • 周期的に変化する電界がx軸、y軸方向にあるとき、合成電界がどのように変化するか(ただし、大きさは1 kV/m、x軸方向とy軸方向の電界の位相差は90 °)

私は口頭試問が無いものだと思っていたので、少し動揺してしまいましたが、問題が簡単だったので回答することができました。これはあくまで推測ですが、好きな教科を聞かれた際に、受験者が答えた教科に関する口頭試問をしているような感じがありました。実際に私は数学、電磁気と答えたのでこのような質問をされたのだと思います。

後輩に伝えたいこと

東北大学の編入試験は、今年度(私が受験した年)から推薦入試ができるようになり、学力入試も数学、英語(TOEIC)のみになりました。負担は減ったものの、推薦入試により学力入試の枠が半分になっていることには注意が必要です。実際、私が受けた学科は45人ほど(実際は欠員などにより40人くらい)受験者がいましたが、受かったのは私を含め6人だけでした。

当日は数学しか学力試験がないので、この試験でやらかすと合格は厳しいです。とはいえ、当日まで試験内容はわからないので、TOEICで高得点を取っておくことをお勧めします。私はTOEICを3回受験し、最終的に810点のスコアを取得できたので、このスコアを提出しました。私がTOEICの勉強に関して重要だと思っていることは以下の5つです。

  • 短期間に集中して勉強すること(TOEICの勉強期間は他の教科の勉強はしない)
  • 単語を聞いてすぐに意味がわかるようにしておくこと
  • 英語の発音について学習すること(母音、子音、発音の仕方、文章中での発音のルールや変化、英語のなまり)
  • 英語を見たり、聞いたとき、日本語に翻訳せずに英語のままで理解すること(英語で表現されている状況を頭の中でイメージできるようにする)
  • わからない単語があるときは、英和辞典ではなく英英辞典を使用すること

学校での成績(3,4年生の成績)も評価対象なので、しっかりテスト勉強などをしておくといいです。また、低学年の内からしっかり定期テストの勉強をしておけば、受験勉強も楽になります。

東北大学の過去問は取り寄せることができるため、過去問は手に入れることができますが、過去問の解答を手に入れることは難しいと思います。そのような場合は、第三者に解答してもらうとよいです。私は、数学の先生に過去問の解答作成を依頼していました。

何時間勉強すれば受かるか気になる人がいるかもしれませんが、何時間勉強すれば受かるのかという問に正解はないので、可能な限り多く、誰よりも多く勉強してください。編入試験に関する私の合計勉強時間は1000時間くらいですが、おそらくこの数字は旧帝を目指している受験者の中で少ない方です。実際、私は東北大学には合格しましたが、京都大学には落ちています。この程度の勉強時間では落ちる可能性が十分あるということです。なので、最後まであきらめず、1点でも多くとってやるという気持ちで勉強に励んでください。応援してます!

この体験談をご覧いただきありがとうございます。拙い文章かもしれませんが、皆さんの参考になれば幸いです。皆さんのような優秀な後輩ができることを楽しみにしています。

オススメの参考書

使用した参考書、教科書を述べます。おすすめのものには★を付けています。ここでは東北大学受験に使用した参考書、教科書のみを記載し、他大学受験に使用した参考書は省略します。

数学

編入数学徹底研究★

まずはこの参考書を完璧にすることを目指してください。その後、適宜必要な参考書で勉強するといいと思います。東北大学受験に関してはこの参考書と過去問しかやってません。

高専の講義で使用していた教科書(線形代数、微積、応用数学)★

編入数学徹底研究を解いていて疑問に思ったことを教科書で復習してました。

マセマ線形代数★

線形代数が苦手だったので、これを一通り読んで理解を深めました。

TOEIC

TOEIC®L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ★

初めてのTOEIC受験の際に使用しました。600点レベルの単語帳です。1000単語しかないので反復して全部覚えてください。

TOEIC®L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ★

TOEICで700点以上を目指すには必須です。1000単語しかないので反復して全部覚えてください。

はじめて受けるTOEIC®L&Rテスト全パート完全攻略

初めてのTOEIC受験の際に使用しました。模擬テストなどを通じて、テスト形式や時間配分に慣れることができます。TOEICのテスト形式を理解している人は、公式問題集を使用した方がいいです。

TOEIC®L&R テスト 文法問題 でる1000問★

Part5の練習に最適だと思います。2周はしました。

公式TOEIC®Listening&Reading 問題集9★

公式が発行しており、テスト本番の練習として使用できます。テスト形式や問題内容、時間配分に慣れることができるとともに、現在の自分の実力を測ることができます。