自己紹介
[名前] | d(^7010^) |
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[出身高専 学科] | F高専 D学科 |
[学科順位] | 3年 2位 4年 4位? |
[受験の年] | 2017年度 |
[受験大学] | 神戸大学 数学科 |
[受験科目] | 1次試験:数学 英語 2次試験:面接(セミナー形式) |
[併願大学] | なし |
[部活や資格] | ロボコンする部活 |
[現在の活動] | 数学の勉強 |
動機
1年生の時に背伸びして齋藤正彦「線形代数入門」を読み始めた。当時の私には内容が難しく、読み進めるのに時間がかかった。だが読み進めていくうちに、厳密な定義から展開される理論を追いかけることに夢中になっていった。この経験がきっかけで数学を志すようになった。最初は高専を退学して大学を受験することを考えていた。しかし数学科にも高専から編入できることを知って、編入学試験を受験することにした。神戸大学を受けることは5年の5月に決めた。
科目ごとの勉強内容
数学
数学はなんとかなるだろうと考えていた(のちに後悔することになる)。4年の春休みに「編入数学過去問特訓」の微分積分と線形代数の章を一通りこなした。それからしばらく数学はノータッチだった。神戸大受験の3週間前から慌てて過去問を解き始めた。神戸大の問題は程よい難易度で、解いていて癒された。どうしても解けない問題や答えが怪しい問題は、答案を数学の先生に添削してもらった。過去問は神戸大学数学科のホームページに掲載されている計19年分をといた。過去問をとく限り8割は取れる気がしていた。
英語
英語には自信がなかったので早い段階で勉強しようと決めていた。4年の11月ごろに先輩に勧められた「鉄緑会 鉄壁」を挫折しかけながらもなんとかこなした。4年の春休みから「DUO」の例文を繰り返し覚えていった。これに並行して長文対策として「速読英単語 上級編」、「リンガメタリカ」を何度も読み込んだ。神戸大の英語については「数・数式と図形の英語」という数学用語の単語集のような参考書で対策した。英語はやればやるほどできるようになるので勉強していて充実感があった。神戸大英語の過去問は著作権の都合でネットになく、大学の教務でしか閲覧することができない。そのため試験を受けるまで非常に不安であった。
面接(セミナー形式)
神戸大学では1次試験の成績で2次試験の面接を受けることができるか決まる。2次試験の面接でも何人か落ちるので対策はしておいた方が良い。試験の2週間ほど前に受験票と共に面接資料(大学初年度レベルの数学書からの抜粋)が送られてきた。面接資料はA,B,Cの3種類あり、そのうちの一つを説明すれば良い。プリントAが線型代数学における置換という操作について、Bがn次元球の表面積の計算、Cが写像と可算濃度に関する話であった。私はまず、選んだプリントの内容を自分になりにノートにまとめた。その後、数学の先生にお願いして発表を聞いてもらい、質問をしてもらった。発表においてはノートの内容を理解した上で暗記し、ノートを用いずに発表できるようにした。
試験当日
試験日は7月1日と2日であった。東横INN神戸湊川公園に宿泊した。実は東横INN神戸三ノ宮1の方が大学に近いのだが、勘違いして湊川公園の方を予約してしまった。家から神戸までかなり距離があったので、試験前日に飛行機で宿泊地まで移動した。
神戸に着いたらすぐ大学の教務に行き、英語の過去問を閲覧した。想像以上に難しそうで内心焦ったが、なんとかなるだろうと自分に言い聞かせた。その後、湊川公園に移動してチェックインを済ませた。辺りにはなにやら怪しげな店がちらほらあり、都会は怖いと思った。夜は早めに寝て、朝早くに起きた。
1次試験終了後、合格者発表の18:00まで暇だったので関西将棋会館に行き、大山15世名人の「助からないと思っても助かっている」扇子を買って気を高めた。1次試験合格者一覧に自分の番号を見つけた時は、飛び上がるほど嬉しかった。ホテルに帰ったあとは、その日解けなかった数学の問題を解き(翌日の面接で試験について聞かれたので必ずやったほうが良い)、面接の最終確認をして早めに寝た。面接は周到に準備した甲斐があり、概ねうまくいった。2次試験終了後、自分へのご褒美として神戸牛のステーキを食べにいった。べらぼうに高かったが、美味しかった。
試験内容
数学
- 実対称行列の対角化 10割
- 行列のLU分解 10割
- 多変数の微積 6割 (1問解けなくて焦る)
- 微分方程式の応用問題 0割(最初の小問からつまずき、泥沼にはまった)
問題は神戸大数学科の編入のページに掲載されている
英語
Terence Taoのテキストからの抜粋だった。 おそらく10割
面接
この質問は合否に関係しないと前置きして
- 他の大学を受ける予定はあるか
- 志望理由は何か
- 卒業後の進路について
以後の質問は合否に関係すると前置きして
- 数学の試験について(解けなかった問題について聞かれた)
- 英語の試験について(良い反応だった)
- あらかじめ配布された面接資料についての発表(セミナー形式)
- 発表についての質問
後輩に伝えたいこと
いざ受験勉強となると、いかんせん気が滅入るものだが。学問への好奇心を忘れずに勉強を続けると、やる気を保ちやすいと思う。日々の学習を記録(日記など)しておくと、後々やる気の引き出しになったりするのでオススメである。
おすすめの参考書
数学
- 編入数学過去問特訓 (これをやれば大体なんとかなるかも)
英語
- DUO (英作文にも使える優れもの)
- 鉄壁 (単語量が半端じゃない)
- 速読英単語 上級編 (分量は丁度良いが、内容がやや古い)
- リンガメタリカ (速単と似たような構成、内容が面白い)
数学を志す上で参考になった本
- 志学数学 (数学の勉強や研究に関する心構えが書いてある)
- 新・数学の学び方 (複数の著名な数学者によるエッセイ集)
- 若き数学者のアメリカ (藤原正彦先生の自伝、数学関係なく面白い)