自己紹介
[名前] | オカケン |
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[出身高専 学科] | 佐世保高専 電子制御工学科 |
[学科順位] | 3年…5位 4年…4位 |
[受験の年] | 平成29年(30年度入学) |
[受験大学 ] | 九州大学 電気情報工学科 数学、英語、電気回路、電磁気学 |
[併願大学] | (全て情報系学科) 合格…東北大学、豊橋技術科学大学 不合格…筑波大学 |
[部活や資格] | 3年の6月末までハンドボール部。それ以降は勉強に励んだ。 基本情報処理技術者 |
[現在の活動] | まだ高専生なので卒研に勤しんでいます。受験体験記を書き連ねていくつもりです。 |
[その他経歴] | 旧TOEICが4年6月に485 4年1月に660 新TOEICが4年3月に620 5年5月に785 L…425 R…360 |
[SNS] | Twitter:@okaken1174 |
動機
九州で最もレベルが高いと言われており、自分自身もオープンキャンパス等、その他用事等で何度か行ったことがあり、親近感も湧いていた。
高専在学中にヒューマンインタフェース分野や脳の研究に興味が湧いたので志望。
学年ごとの勉強内容
3年
3年から勉強開始。まずは英単語を覚えるところから始めた。
3年の夏休みに図書館にある大学編入用の数学の本を借りてみる。3年秋に過去問を請求。意外と英語や数学が簡単に見えてたので心のなかで舐めてた部分がある。
4年前期
TOEICも兼ねて英語をより勉強するようになる。数学はベクトルと行列がものすごく楽しかった。線形代数はもとから好きだったがより得意分野になった。
とはいえ休みの日にたまにゲーセン行ったりしてた。まだ心に余裕があったか。
4年後期
ここから本気になってきた。
機械工学科首席の先輩が九州大学に落ちたことを知り焦る。電子制御からは2人合格してたので少し安心はしたが。
どういう問題だったんだろうと思い再び過去問請求をする。
数学の難化、及び英文の長文化により焦る。
電子制御の、不合格した先輩から九州大学の専門科目の過去問データベースをもらう。
電磁気がかなり思考力を問うものだったので焦る。
電気回路は時間がかかるが当時の知識で解けたので急ぐように訓練した。
このころDUO3.0を購入。
このころには「TOEIC730点レベル」といわれる単語までは8割程暗記できていた。
春休み
カリキュラム上、5年生では数学を習わないので、習ってなかった複素関数、複素積分を独学した。これが今後の合格を左右することになるとはこの頃は思っていなかった。
英語は読むことはほぼできていたので英作文にも力を入れた。
英作文講義の実況中継ってやつを全ページやった。
ポレポレも全ページやった。
Nextageもやった。
電磁気、電気回路もカリキュラムが終了したので、3,4年の範囲を復習した。習ってなかったポインティングベクトルを独学。試験には出なかったけど。
九州大学で使ってる朝倉書店の電磁気の本(黄緑でコンパクトな本)で分極とか電荷密度とか抵抗の積分とかの新たなテクニックを習得。
これは後程役に立つことになる。
5年4月
新TOEICが620であり、筑波大学のために730を目標にしてたため英語により力を入れる。
数学はフーリエとか微積とかの復習を行った。
ここで九州大学の募集要項が出る。
この年から九州大学が推薦を始めることを知り、他の旧帝大学も受験しようと考えるようになった。
5年5月
ひたすらTOEIC。あらゆるTOEICの本を借りた。TOEIC試験直前1週間で5回くらい模擬試験やったんじゃないかと思う。
朝には6時に起きて7時までDUOのリスニングを行った。
ちなみにここで東北大学の募集要項が出て、ここで東北大学受験を決める。化学を始めたのはここから。
5年6月
このころ豊橋技科大の試験があった。そのため前半は豊橋の過去問を解いてた。九州大学の勉強はあまりしてない。デジタル回路とかプログラムとかやってた。
あとは化学をやってた。
5年7月
中旬に筑波大学の試験があった。そのため前半は物理、数学、プログラムをやってた。
筑波大学受験前日に豊橋技科大の合格発表があった。合格してた。
筑波大学受験1週間後に筑波大学の結果が通知されたが不合格。焦り出す。
後半から九州大学の勉強を再開。
このとき九州大学の推薦の結果が発表された。
九州大学の電気情報には5人受かっており、募集要項では一般と推薦合わせて6人程度を合格とすると書いていたので、かなり狭き門になるかと思い更に焦る。
筑波大学が不合格だったことから、合格発表の日からは深夜1~2時まで勉強することにした。
落ちてもすぐに気持ちを切り替えられたので勉強に支障が出なかったのは大きいポイント。
放課後は数学の先生や電磁気の先生を頼って様々な質問をした。
5年8月
学校のテストそっちのけでひたすら受験勉強。
英語はほぼ完成してたので数学と電磁をほぼやっていた。複素積分と確率を再び行ったが、この分野やってて本当によかった(詳細は後程)。 電気回路は少し軽めにやっていた。
試験当日
電気情報は40人ぐらいいた。これで募集要項どおり1人ぐらいしか受からなかったらきついよな、とは思った。
試験内容
数学…大問4題 120分
①微分方程式2題、全微分方程式1題
②行列と固有値
③確率変数密度(積分使うやつ)、ウォリスの公式
④複素積分2題
英語…大問3題 60分
①長文和訳3題
②長文の「意味を適切に」和訳3題
③日文英訳10題
電気回路…大問3題 90分
①回路の位相差、絶対値が与えられていたときの電流を求める問題
②インピーダンス行列を求める問題、及びインピーダンス行列の等価変換
③過渡現象
電磁気or計算機工学…大問3題 90分
自分は電磁気を選択。
①同心筒状導体の電界、電束密度、分極、静電容量を求める問題と、電界を最も小さくする内半径を求める問題
②誘電体の異なる境界線上での電界の変化を考える問題
③無限長直線状導体の外側をドーナツ状のコイルが巻かれているとき、以下を求める。
(1)直線上導体からr離れたところの磁界及び磁束
(2)コイル1巻きに鎖交する磁束
(3)無限直線状導体とコイルとの相互インダクタンス
(4)コイルに蓄えられるエネルギー
(5)直線上導体に流れる電流が変化するとき、コイルにかかる起電力
面接
電磁気又は計算機工学が終わると、10分休憩を挟み部屋に待機です。
第二志望まで志望している人から先に面接が行われます。
第二志望まで志望している人が終わると、電気情報だけ志望した人の順番になります。
面接は1人の受験者に対し面接官が3人いました。
聞かれたことは、まずは立ったまま受験番号、出身校、出身学科を言ってから座るよう言われ、座ったあとは
- 「志望動機は?」
- 「併願した大学はどこ?そしてそれらは受かった?」
- 「全部受かったらどこいく?」
というように一般的な内容でしたが、
- 「どうやら英語が得意だそうですね。どういった努力をしてこの英語力をつけましたか?」
という質問もありました。ひたすらTOEICの勉強をしたと話したら、
「なるほど。試験にも結果が出てるようですよ。」と言われたので、この時点で英語の採点は終わっていたのかもしれません。
面接官が終始ニコニコしてたので安心感がすごかったです。
穏やかな面接でした。
後輩に伝えたいこと
合格しました。一般から8人受かってました。推薦と会わせると13人合格です。6人程度とは何だったのか。
手応えは
- 数学8割
- 英語9割
- 電気回路5割
- 電磁気9~10割
でした。
九州大学の数学は何でも出ます。
一般科目の過去問は学生課に請求してください。
専門科目はページの一番下に写真を載せました。
個人的には、出やすいのは
行列≒微分方程式>フーリエ&ラプラス>確率>その他
と感じていましたが、今年は複素積分も出てきたし、ここ数年よく出てたフーリエが出なかったり、全微分方程式が出たりしたので、もう何でも出るもんだと思ってます。
たとえ習ってなくても、編入用の数学の参考書は全ての範囲を1度手をつけておくことを推奨します。
英語は簡単な方だと思います。
TOEICで600程度もあれば読む分には苦労しないと思います。
英作文も慣れれば簡単に書けます。
九州大学で出た『意味を適切に和訳』というのは、『clean air to be a frill.』という、見た目では簡単な単語を使っているけど、そのまま訳すと『きれいになるためにフリルになる』みたいな文になって違和感が出る問題でした。答えはわからないけど『雰囲気を良くするよう気取る』とかが正解なのでしょうか。
電気回路は、位相差、テブナン、過渡現象の3つがよく出てたので行列は手をつけていなかったのが痛手でした。傾向は確かにありますが、急に変わることもあるので解けるようにはしておきましょう。
電磁気は自分の代が簡単だっただけで、それより前は難しかったんだと思います。佐世保高専の授業で学んだことの復習で太刀打ちできました。復習はしっかりおこなうべきです。
ちなみに電磁気のかわりに計算機工学を受けることもできます。
何が出たかは知りませんが、計算機工学を選んだと言う人からキーワードだけ聞き出すことができました。
- 2の補数(簡単)
- 不動小数点
- 謎の補数を求めるプログラムをかく
- 論理式の等価
- 主項の列挙
- 積和系
- 等価な遷移図
- ソフィージェルマン素数
といったキーワードです。
恐らく、補数を求める問題、素数を求めるプログラム、主加法標準展開、遷移図等の問題が出たのではないでしょうか。
おすすめの参考書
■数学
大学編入のための数学問題集
大日本図書
図書室にあったので借りました。
初めて編入を意識して借りた本。
とりあえずこれをやっておくと様々な解き方をしることができたので合格に繋がったと思います。
編入数学徹底研究
桜井 基晴 聖文新社
友達から借りました。他社とも見比べておくことでより知識を深めるために使いました。
大学編入試験問題/数学 徹底研究
林 義実 小谷泰介 森北出版
これもです。様々な問題集に慣れればいいだろう、といった思いでやってみました。
高専の数学 問題集(森北出版)
大体は高専の教科書、問題集でベースを作ることが大切です。
B問題、C問題に慣れましょう。
■英語
電子辞書 Brain
高専入学時に買った電子辞書。
TOEIC470,600,730,860それぞれのレベルの英単語があり、これらを全て1周はしました。
さすがに全部覚えるのは不可能ですが、レベル別に700語×4レベルの2800語のうち7~8割は覚えたのでかなりの語彙力を身に付けることができました。
VISION QUEST 啓林館
高専入学時に教科書として購入。
なんやかんやでかなり役立ちました。文法の復習のために何度も開きました。
forestなくてもこれでもいいんじゃないかな。forestあったらそれでもいいけど
DUO3.0
四年後期に買いました。
電子辞書は3年前期~4年後期まで使って多くの語彙を得ましたが、先にDUOやってればよかったかもしれないです。DUOは効率がいいです。重複もしますが、DUOで1600語と熟語1000組を学びました。
ついでにDUOのCDも購入して耳からも学習できるようにしました。
九州大学受験にはCDはいらないかも。TOEIC受けるならCDあるといいかも。
ポレポレ 長文読解プロセス50
西きょうじ
代々木ライブラリー
春休みにやりました。
なかなか味のある内容です。
長文やるならまずこの本でやり方を知るといいと思います。
単語は簡単なのに、修飾語がどこにかかるかわからなくて文読めない、なんて問題あったりしますよね。そういった問題等の対策になるかと思います。
大矢英作文講義の実況中継
大矢 復 語学春秋社
BOOK・OFFで200円だったので購入。
評価が高かったのでやってみると、僅かなニュアンスの違いを教えてくれるいい参考書でした。
なんとなく英作文できるけど、丸がもらえず三角が多いならやってみるべきです。
英語長文問題精講
中原 道喜 旺文社
60問の長文があります。難易度も高め。時間と根気があるなら早めに買ってやっておくとかなり力がつくと思います。僕は20問くらいまで解いて終わりました。60問全部終えるのはしんどい…
1つの長文を全部日訳してたので、1問に1時間かかりました。
長文に慣れたいならやってみるといいと思います。
Nextage
英語の復習のために。
文法がかなり身に付きます。
もとはTOEICのパート5のために買ったので九州大学には不要かもしれない。
■電気回路
基礎からの交流理論
電気学会 小亀英己 石亀篤司
高専の教科書で使ってた。
これと、授業ノート。
詳解電気回路(上)(下)
大下眞二 共立出版
過渡現象とか変成機とかテブナンとか不安だったので、とりあえず図書室からかりて勉強。
やはり電気回路は慣れるべき。
■電磁気学
基礎電磁気学 山口 昌一郎
電気学会
高専の教科書で使いました。
復習も兼ねて。
電気電子工学シリーズ 電磁気学
岡田龍雄 船木和夫
朝倉書店
九州大学のシラバスを調べ、九州大学で使っている教科書で電磁気を学びました。電気学会の教科書では知り得なかったテクニックが載ってました。導体球を誘電率の異なる二つの誘電体で被ったときの電界の求め方とか、球状導体の抵抗の求め方とか。
図書室にあれば一度借りることをおすすめします。黄緑のコンパクトな本。
詳解 電磁気学演習
共立出版
後藤憲一
山崎修一郎
電磁気の問題が多数。
問題をどんどん解きたいなら是非。
専門科目過去問
以下は、投稿者であるオカケンさんのブログより引用しています。(クリックすると拡大します)