自己紹介
名前:ひとびと
出身高専:舞鶴高専 電気情報工学科
学科順位:3年次:5位 4年次:5位
受験年:2019年
受験大学(受験科目):九州大学芸術工学部画像設計学科
併願大学:和歌山大学
部活や資格:プログラマーズコミュニティ
TwitterID:@bismuth_biscuit
なぜ編入をしようと思ったか
就職の場合自分のやりたいことが出来なかったので進学を選びました。
学年ごとの勉強内容
※九州大学を志望しようと思うところまで書いてあります。
具体的な勉強スケジュールが気になる方は、飛ばして読んでください。
3年後期
はじめてデザインに触れたのは、第28回全国高専プログラミングコンテストでした。応援学生として参加した当時の僕は、これといって得意分野もなかったので楽をしようと資料制作担当に回りました。しかし、いざやってみると面白い&周りからも好評だったので、段々とデザインに興味を持つようになっていきました。
4年前期
4年生からは、デザイン能力を身に着けるためには、”実践”が一番なのでは?と考え、illustratorなどのソフトを勉強しつつ、同時並行で色々な大会に開発&デザイン担当で参加していきました。血反吐を吐きそうな過密スケジュールもしばしばありましたが、同時にいい思い出です。
一方、ほかの高専でも同じように、舞鶴高専でも4年生は、本格的に進路を考え始める時期です。進学勢はオープンキャンパス、就職勢はインターン、迷い勢はどっちも…。当時の僕は、進学にしようと思う反面 深くは考えてなかったのでとりあえず情報とデザインができそうな、九州大学の芸術工学部と和歌山大学のデザインメジャーを候補に挙げていました。
4年後期
後期も例よって、色々な大会に参加し、前期にも増してバタバタしていました。実績が増える一方、全く増えない勉強量…。少しずつ焦りはじめ、ようやく11月、大学のカリキュラムを確認しながら進学ルートを2つに絞りました。
大学のカリキュラムを確認しながら進学ルートを2つに絞りました。
第一志望:和歌山大学コース
<利点>
- 推薦編入を使うことができる
- 地元から近い
- 一般編入に比べて難易度が低くなるので他のことにも力を注げる
<欠点>
- 学べるデザインの分野が広いため、学びたい分野の密度が低い
- 実践を伴う授業が九州大学に比べて少ない
第一志望:九州大学コース
<利点>
- 自分の学びたい分野を集中して学ぶことができる
- 実践を伴う授業が多い
<欠点>
- 推薦編入を使うことができる
- 地元から遠い&知り合い0
- 難易度が非常に高いので他のことに力を注げない
和歌山大学の推薦を選ぶか、それとも九州大学と和歌山大学の一般編入を目指すか….色々迷った結果。第一志望「九州大学芸術工学部」第二志望「和歌山大学:メディアデザインメジャー」にしました。
5年春休み
ほぼ勉強量0だったので。春休みの1か月間は、全国起業家甲子園決勝大会と科研費活動の参加以外、毎日勉強机に向かってました。九州大学は、数学と英語(長文・選択・英作文)の2科目があったのですが、とりあえず自信をつけようと得意科目の数学&英語の単語チェックから始めることにしました。(これが後々大きな問題になることに…)
具体的には
<数学>
◎「編入数学徹底研究」
◎「編入数学過去問特訓」
◎「大学編入試験問題 数学/徹底演習」の3冊の攻略
※全部はできないので例年の出題範囲を中心に取り組みました。
<英語>
◎「DuOのわからない単語チェック」
◎「mikan:1日 300×3セット」
◎「TOEICの受験」
※TOEICは実力を測るためにとりあえずやってみました(因みにスコア490)
勉強時間は、1か月で約137時間(forestによる計測)、最初こそ10時間くらいやっていたのですが、段々疲れはじめ、終盤は孤独で変化のない毎日に心が折れて「鋼の錬金術師」と「本当にあった怖い話」を見ていました。(全国の受験生のすごさを改めて感じました。)
5年4月
久しぶりの友人やにぎやかな毎日に再びやる気を燃やし、また机に向かうようになりました。寮生活のこういう部分は本当にありがたいです。4月からは、毎週の過去問実地を始め、苦手分野の確認や進み具合に役立てました。しかし、これによって1つの問題が浮上しました。
「英語が全くもってできない」
数学は春休みの特訓もあり、9割は固くなったのですが、英語に関しては良くて3割程度、大門1の長文がまず読めないし、読んでるうちに90分…と自分の英語力のなさを思い知る羽目になりました。
しかし、泣いたところでバイリンガルになる訳もないので、副詞と形容詞の違いから順に中学英語⇒高校英語⇒受験英語と復習していきました。加えて英語ができる友人に泣きつきおすすめの参考書を数冊借り勉強していきました。
具体的には、
<数学>
◎春休みの続き
◎過去問4年分
<英語>
◎文法総復習
◎基礎英文問題精講 3訂版
◎過去問4年分
◎吉ゆうそうの英文読解 解テク101
<過去問>
◎数学:9割~
◎英語:2割~3割
<その他>
◎資料の請求(和歌山大学・九州大学)
勉強時間は、1か月で約133時間(forestによる計測)、英語なんて単語知っていれば何とかなる…なんてことはなかった。
5年5月
5月からは、4月に判明した「英語できない問題」を解決するため、数学は過去問のみに一点集中を行い、四六時中英語をやってました。(朝:単語チェック⇒授業中:文法⇒夜:長文&英作文⇒就寝前:単語みたいな)しかし、ここでも1つ問題が生じました。(以下少し話がそれます)
それは、5年生なら、必ずやるもの「卒業研究」です。僕は、4年生の先行研究でIoTイルミネーションの企画を行い、総務省の主催する「高専ワイヤレスIoT技術実証コンテスト」から研究費を貰いながら、開発や運営を行っていました。通常の場合 先行研究のテーマを卒業研究に引き継ぐことが多いのですが、僕の開発したIoTイルミネーションは4年の時点でシステムとして大方完結し、卒業研究としては使いにくいものとなってしまいました。
そのため0からテーマを探すことになり、ちょうどこの時期までうんうん悩んでいました。5月中旬には、IoT障子による地域活性化を絞りだしました。しかしこのアイデア 企画したのはいいもの開発に50万円かかることがわかりました。到底研究で賄える範囲を超えているので、受験まで1か月ちょっとというところで「高専ワイヤレスIoT技術実証コンテスト」への再参戦が決まりました。
少し話がそれましたが、5月はこんな感じで、受験勉強とコンテストの準備を進めていました。そうして5月の末頃には、英語の得点率が6割ほど、コンテストは一次審査を無事通過することができました。
具体的には、
<数学>
◎過去問オンリー
<英語>
◎基礎英文問題精講 3訂版(2週目)
◎過去問4年分
◎吉ゆうそうの英文読解 解テク101(2週目)
◎DuO単語チェック
◎英作文×2(60分)
<過去問>
◎数学:9割~
◎英語:6割ほど
<その他>
◎願書の提出(和歌山大学・九州大学)
勉強時間は、1か月で約145時間(forestによる計測)、4月より10時間ほど伸び効率はともかく勉強時間は着実に伸びていきました。
5年6月
いよいよ受験一か月前となり、最後の詰め込み期間になりました。6月からは、これでもかといった感じでダメ押しで「TOEIC L&R TEST 出る単特急金のフレーズ」「英語長文レベル別問題集 6難関編」を投入し、とにかく死角を減らそうと必死になって勉強しました。また、この時期からは、面接対策のためにポートフォリオの制作や寝る前に志望動機の暗唱も行っていました。そして同時並行でコンテストの準備も慌ただしく進めていました。
6月は九州大学の受験一か月前である一方、実は一番スケジュールが濃かった一か月間でもあります。当時の日程はこんな感じでした。
6月16日:舞鶴高専専攻科入試
6月27日:和歌山大学入試
6月28日:高専ワイヤレスIoT技術実証コンテスト2次審査
7月03日:高専ワイヤレスIoT技術実証コンテスト2次審査結果発表
7月05日:和歌山大学入試合格発表
7月06日:九州大学芸術工学部入試
コンテストも専攻科も和歌山大学も、何1つ欠かすことができない状況でしたが、これが逆にいい追い込みになりました。(思い出補正:強)
具体的には、
<数学>
◎春休みの続き
◎過去問4年分
<英語>
◎文法総復習
◎基礎英文問題精講 3訂版
◎過去問4年分
◎吉ゆうそうの英文読解 解テク101
<過去問>
◎数学:9割~
◎英語:8割~
<その他>
◎資料の請求(和歌山大学・九州大学)
勉強時間は、1か月で約167時間(forestによる計測)、分換算すると10000分になっていました。因みに専攻科及び和歌山大学は、対策する時間がほとんどなく面接対策だけ押さえて受験してました。(科目が一致していたのが本当に良かった…)
5年7月~受験前夜
九州大学受験までの4日間、受験よりも、正直コンテストや和歌山大学の結果にヤキモキしていました。結局採択&合格で終わったのですが、すべての結果を知ったのは、九州に向かう新幹線の中でした。
九州到着後は、まず受験会場の確認を行い、その後は明太子ともつ鍋をむさぼりながら、最後の復習をやっていました。
明日以降のことや目の前の数式の意味を考えるより、途中からは、ぼーっと「ぴったんこカンカン」を見ていたことをぼんやり覚えています。
勉強時間は、1か月で約25時間(forestによる計測)、なるようになれって感じでした。
試験当日
目覚めは6時半くらい、朝食にそうめんを流し込み8時半到着を目指して、いざ九州大学へ。到着すると既に同じ受験生数名が参考書や対策シートに目を通していました。なんでこういうときって周りの人が賢く見えるんだろ
1時間目:英語
初戦は、苦手な英語、けど逆に言えばここを抜ければ得意な数学!! かつてない緊張感で問題用紙をめくりました。
以下、問題情報です。
制限時間:90分
問題枚数:2枚
問題内容
大門①:携帯電話などが生み出す電気ごみについての長文
大門②:単語選択問題(大門①の長文に当てはめる形式)
大門③:外国人に令和について簡単に説明せよ(100文字)
最初こそ焦りましたが、長文はゆっくり読めば十分に解ける内容で、英作文も、毎日のように放送されていた新元号うんちくを思い出して書いていきました。時間として20分程余り、自己採点で8割後半∼9割前半くらい
2時間目:数学
初戦の英語を切り抜けたこと&過去問10年で9割超だっとこともあり、合格は固いと思っていました。しかしこれが間違いでした。
知っている人も多いと思いますが、九州大学の受験形式は来年(2020年)からTOEIC&数学に変わります。けどこの時僕は、英語がTOEICに置き換わっただけで数学の難易度は変わらないと思っていました。
しかしこれが大間違いでした。
僕の編入体験記を読んでくれている人は、最悪ここ以外忘れてもいいので、これだけはマジで叩き込んでください。
以下、問題情報です。
制限時間:90分
問題枚数:1枚
問題内容
大門①:固有値に関する問題・全2問(例年通り)
大門②:位置ベクトルに関する問題・全2問
大門③:(1)偏導関数を求める問題
(2)ある関数f(x,y)の曲面積を求める問題
大門④:2重積分(ガウス積分を使う?)を求める問題
問題形式こそ例年通りだったので、最初こそ余裕だと感じていましたが、始まって20分徐々に難易度が全然違うこと、同時にどうやっても自分がそれらの問題を解けないということに気づき始めました。
この時の絶望感は、本当にすごかったです。「時間はまだまだある」「あのアプローチを試そう」と必死に励ましても、一向に解に行きつかない、そして時間が過ぎていく。
試験開始から45分、拳を強く握るあまり、指からは血が滲んでいました。友達や先生、九大の先輩方、こんなにもたくさんの人の力を借りながら、それに応えられない自分の無力さに半ば放心状態でした。
結局残り30分で、再びエンジンがかかるも最後まで満足いく回答には行きつかず、試験後の周りの会話を盗み聞きしてるとやっぱり間違っていました。
自己採点で、2割∼3割くらい。昼ご飯の納豆巻きをもさもさ齧りながら、令和史上最大のブルーになってました。
3時間目:面接
数学で打ちひしがれている間もなく面接へ、僕が受けていた画像設計は7人受けて自分含め2人がポートフォリオを持参していました。面接の待ち時間は、めちゃくちゃ静かで寝てる人もいた気がします。
そして40分ほど経った頃、いよいよ自分の名前が呼ばれました。とにかく「少しでも印象を残そう!!」と思い、元気よくノックを!!…と思ったら面接官の先生がドアを開けてくれて、ならば名前だ!!…と思ったら「先生の一人がトイレ休憩」と間が悪く、けど同時に緊張が吹っ飛びました。
以下、面接情報です。
面接時間 :15分程度
先生の人数:4人
雰囲気 :おだやか
面接内容
◎手短に志望動機を
◎大学に行ってからやりたいことは
◎今、何か制作しているものはある
◎ポートフォリオに関する質問
◎好きなアニメはある
◎最後に何か言いたいことはある…etc
緊張感がなくなっていたこともあり、「手短に志望動機を」と言われながら4分くらいポートフォリオを交えながら話したり、「好きなアニメ」でエヴァンゲリオンで、”ちょうど今日シンエヴァの冒頭10分が放送されるんだ”など聞かれてもないことをベラベラ話しまくる僕に先生方は、嫌な顔せず相槌を打ちながら聞いてくれました。
面接が終わって。九州大学に出たとき、3月から始まった受験勉強の終わりを実感しました。その後は、博多ラーメンの美味さに感動したり、お土産を買ったりと普通に観光し、ゆっくり京都へ帰って行きました。
その後(番外)
7月:受験後∼中旬
…と、当日こそ吹っ切れていましたが、やはり色んな人の力を借りて問題を倒しきれなかったことに完全に心が折れ、しばらくはうじうじしてました。けどそれと同じくらい「この敗北を糧にしたい」と思っていて、受験がなくなって沢山余った時間を抱えながら、ここからどうしようか考えていました。そんなある日、ふと5月ごろに作った「令和デザイン」がお世話になった”ないない”さんに高評価だったことを思い出し、そこから漢字デザインが始まりました。
7月:下旬
漢字デザインを投稿しつつ、卒研を進めつつ割と穏やかな日々は過ぎ、いよいよ合格発表の日が近づいてきました。落ちたとは思っていてもやっぱり結果は気になると、確認するため研究室へ。
なんやかんやで人が集まり10人くらいで確認すると、画面には自分の受験番号がありました。想像もしていない結果を目の前に、軽くパニック、研究室の先生に「本当に自分のものか受験票と照らし合わせ」と言われたものの、そもそも要らないと思っていたので受験票の場所も分からない。結局20分かけて、ぐちゃぐちゃのそれを見つけ、受験番号の一致を確認。
しかし結局、誤報なのではと疑い、確約書が来るまでの間ははっきりと言えず、毎日のように九州大学のHPを更新して記事のチェックをしていました。
後輩に伝えたいこと
あれから4か月、今でこそ進路を言えるようになってきましたが、ニュースで採点の誤りが報道されるとビクッとなります。
結局、散々書きましたが、受験期間に必死に勉強した英語は、来年からTOEICへ変わり、数学においては、ボコボコなので今後受験に挑戦する後輩へ渡せるものは全然ありません。
とはいえ、それでは締まらないので、受験で学んだことを最後に書いておきます。
①餅は餅屋、とにかく人を巻き込め
当日は一人ですが、そこへ行くまでにたくさんのエンハンスをかけることが出来ます。例えば「先生」は””過去問の採点””や””問題の解き方””を教えてくれますし、「先輩」は””面接の情報””や””当日の雰囲気””を教えてくれます。そして何より「友人」は人によって異なりますが、同じ目線で””やる気を””や“勉強のコツ”など色々な方法で支えてくれます。そして人を巻き込めば自分もそれに応えようとより頑張れます。
思い切って言ってみれば、けっこう皆助けてくれます、単純な勉強量だけで勝負が決まらないのが受験、なのでどんどん巻き込んでいきましょうbb
②進学・就職勢、それぞれお互いを尊重をする
受験期間に数回、進学勢が「楽そう、あいつらに俺の苦労がわかるのか」と愚痴ってるところを見かけました。確かに就職勢の方が拘束期間が比較的に短いです。しかし、就職勢は別ベクトルで沢山の苦労や経験を重ねて進路を勝ち取っています。そもそも最終的に進路を決めたのは自分です。焦りばっかりでやる気が出ない日も、腐りたくなる夜も当然あるとは思いますが、そんなときは、サッと寝て明日の自分に備えてください
③とにかく走る、最後まで諦めない
受験終了後、「もし仮に受かってるのなら焼き肉でも何でもおごる」など変に前向きなネガティブ宣言をしていた結果、無事ご馳走する羽目になりました。上の話は、まだ冗談で済みますが、もし仮に数学の結果で諦め、面接を受けずに帰っていた場合、こうやってnoteを書いていたかも怪しいです。変に諦めて擦り傷するより、全力でつまずいた方が、きっと糧になると思います。(多少痛いけど)
以上、編入体験記です!!TwitterからDM飛ばしてくれれば、九大編入でなくても、何時でも・何でも相談乗ります。
そんでもって自分が合格した時、また次の編入生を助けてあげてくださいbb
オススメの参考書
英語
- 「基礎英文問題精講 3訂版」
- 「吉ゆうそうの英文読解 解テク101」
- 「DuO単語チェック」
数学
- 「編入数学徹底研究」
- 「編入数学過去問特訓」
- 「大学編入試験問題 数学/徹底演習