自己紹介
名前:kazu
出身高専:大阪府大高専 総合工学システム学科 環境物質化学コース
学科順位:1年:1位 2年:1位 3年:1位 4年:1位
受験年:2021年度
受験大学(受験科目):大阪大学 基礎工学部 化学応用科学科化学工学コース(数学、英語、物理、化学)
併願大学:府大高専専攻科(合格)、豊橋技科大(未受験)、大阪大学工学部(未受験)
部活や資格:帰宅部(バイト)、TOEIC805点、危険物取扱者 乙種第3,4,5,6類、漢検2級
TwitterID:@kazu_hennyu
なぜ編入をしようと思ったか
将来的には、研究開発の仕事に就きたかったから。
大阪大学の基礎工学部を志望したのは、家から近くてレベルが高く、興味の研究が多かったこと、さらには、YouTuberのはなおや積分サークルが好きでよく見ていて、彼らの出身大学である大阪大学に憧れがあったからです。(不純な動機…笑)
学年ごとの勉強内容
1~3年
特に編入のための勉強は何もしていませんでした。
2年生から串カツ屋でのバイトを始め、多い時には月100時間以上出勤と、バイト戦士でした。笑
この頃から編入を見越して数学の勉強を始めておけばもっと余裕があったのだろうな、と思います。
ただ、英語の勉強には1年生の頃から力を入れていました。2年生の夏休みに初めて受けたTOEIC IPテストで630点を取り調子に乗り(笑)、さらに点数を伸ばしてやろうとTOEICを何回も受けていました。学校の授業でも、英語は授業前に毎回扱う長文を自力で全部和訳し、授業で先生の説明と照らし合わせて、自分の和訳を修正し、そして試験前には本文の和訳を見て自力で英語にほぼ直せるぐらいまで勉強して臨んでいました。とても大変でしたが、今思うとかなり英語力が付いたと思います。
また、学校の定期試験は、試験前は全力で勉強して毎回1位を保っていました。僕は特別勉強が好きというわけでもありませんが、とにかく負けず嫌いで、誰かに負けるのが嫌で意地で勉強していました。笑
試験勉強もただ過去問を中心に対策するのではなく、しっかりその内容や理論を理解するように心がけていました。
今思うと、これも編入勉強をする上での基礎がしっかり身について良かったのだと思います。
4年前期
世の中の高専生達は、編入を意識し始めて勉強し始める頃ですね。
僕はというと、2年半続けた串カツ屋でのバイトではとうとう揚げ場を任され、ベテランのアルバイターへと成長していました()
編入の勉強はまだしていませんでしたが、同様定期試験はしっかりと勉強して1位を保っていました。
夏休み頃から、3年前に基礎工学部の化学工学コースに編入された先輩を先生に紹介してもらったり、ZENPENさんのサイトから編入の情報を集め、良さそうな参考書を購入したり、メルカリで集め始めました。
前期の終わりごろは、まだ自分の進路をどうするかが固まっておらず焦りを感じていました。
4年後期
10月
大阪大学を受験することを決め、アルバイトも9月末に辞め、覚悟を決めました。
まず、数学と英語から手を付けることに決めました。
数学は、要項や例題がまとまっている『数学/徹底演習』から始めました。要項や例題も含めて、確率の章を除いて1問残らず隅々までやることにしました。僕は昔から数学が苦手で、徹底演習は少し問題の難易度が高く感じ、一番始めにやるべきではなかったのではと思います。
英語は、単語や文法から勉強し始めました。(教材については後でまとめて書きます。)
僕はクラスの総代を務めており、高専祭の準備で忙しく、10月はあまり満足に勉強できませんでした。
[1日当たりの平均勉強時間] 2h/day
11月
高専祭が無事に終わり、すぐに定期試験だったので、後期中間試験に向けて勉強を始めました。化学は編入試験に頻出の内容が範囲だったのでしっかり勉強しました。そのため、編入の勉強はあまりできませんでした。
[1日当たりの平均勉強時間] 1h/day(編入勉強に関しては)
12月
12月中旬にTOEICの公開テストがあったので、12月の前半はTOEICの勉強をメインにやっていました。その結果、805点を取ることができ、ここでTOEICの勉強を辞めました。
冬休みは、数学は引き続き徹底演習を進め、英語も引き続き単語と文法を中心に勉強していました。ちょうどこの頃の物理の授業で電磁気学を習っていたので、電磁気学を勉強し始めました。
[1日当たりの平均勉強時間] 5h/day
1月
ここから編入勉強のギアを一段上げました。
数学は徹底演習を進めながら、細野先生の本で確率を勉強し始めました。確率は細野先生の本だけをやり続け、最終的には6周しました。英語は、英作文の勉強も始めました。
化学は有機化学の勉強をぼちぼち始めました。
学校の行き帰りも、英単語の勉強などをするようになりました。
[1日当たりの平均勉強時間] 6h/day
2月
学年末試験は、編入に直接関係する科目はしっかりと勉強し、あまり関係のない科目は直前に勉強して、編入の勉強時間を確保しました。
この時期までは基本的には、数学と英語の勉強がメインでたまに物理と化学の勉強をする感じでした。
[1日当たりの平均勉強時間] 6h/day
[5年前期]
春休み(3月~4月)
春休みが始まる頃にようやく徹底演習が1周終わります。そこからは、確率の勉強を引き続きしながら徹底研究で勉強し始めました。勉強に疲れた時は、ヨビノリの今週の積分で積分の練習をしたりしていました。
英語は読解の対策も始め、ポレポレや阪大の赤本をやっていました。また、単語力など総合的な英語力の強化として、DUOの例文を1つずつ意味を確認しながら書き写していました。結構力が付くと思います。これを試験までに合計4周はしました。
化学も本格的に勉強を開始しました。有機化学は『有機化学演習』を合計2周し、時々、自分が過去にまとめたノートを使いながら勉強しました。物理化学は図書館で『アトキンス』を借り、熱力学の部分をその内容を理解しながら、ノートにまとめて勉強しました。そして、黄色い化学熱力学の本で演習をしました。反応速度論に関しては他の本で補って勉強しました。分析化学や無機化学も勉強を始めました。詳しくは参考書の欄に書きます。
物理に関しては、力学・電磁気学・熱力学の3題から2題を選んで解答するのですが、電磁気学と熱力学に絞ることにしました。熱力学は物理化学の勉強と被っていましたが、電磁気学はほとんど勉強しませんでした。編入の勉強を始めるのが遅かったので、電磁気学を勉強する時間が無く、化学で点数をしっかり取って、電磁気学は最初の方の小問だけでも答えられればいいなと思っていたからです。
たまに誘惑に負けてYouTubeを見てしまう日もありましたが、基本的にほとんど勉強していました。
[1日当たりの平均勉強時間] 8.5h/day
5月
コロナウイルスの影響で、学校が6月中旬までリモートになりました。不謹慎ですが、これは僕としては非常に助かりました。
数学は、専攻科の試験のために、『微分積分<2>』で積分の体積・面積の問題や微分方程式の部分を補強したり、『過去問特訓』をしたりしていました。
英語は英作文の勉強を中心的に勉強していました。
この頃は化学を1番重点的に勉強しており、有機・無機・物化・分析の各分野を毎日1,2時間勉強していました。化学工学に関しては過去にあまり出題がなかったのでほとんど勉強していません。
人間の心を捨てて(笑)とにかく何も考えず勉強しました。寝る時とご飯の時以外はほとんど勉強していたと思います。
[1日当たりの平均勉強時間] 10h/day
6月
いよいよ編入の勉強もラストスパートです。6月の上旬に専攻科の試験があり、無事に合格を貰いました。ただ、数学の試験を完答することが出来ませんでした。内容は基本的な問題ばかりなのに、焦って計算ミスをしてしまい時間切れになってしまいました。このままではまずいと思い、数学の勉強時間を増やしました。勉強時間が足りず、数学の過去問はほとんどやっておらず、確率の小問だけ7年分ほどやり、残りはstudyplusというアプリで知り合った神戸高専の子に、解いた写真を送って貰い、それを見て解き方を理解しました。彼には感謝してもしきれません。
英語は、色々な教材をやりながら、過去問を5,6年分解きました。
化学は過去問を解くよりも色んな分野を最後までしっかりと勉強する方が良いと判断し、過去問はほとんど解きませんでした。(4年の終わりごろに過去問には一通り目を通し、傾向だけは確認していました。)
物理は電磁気学の分野を1か月前から広く浅く復習しました。電磁気学に関してはあくまで完答する気はありませんでした。
[1日当たりの平均勉強時間] 9h/day
試験当日
試験内容
詳しく内容を書いて下さっている方がいるので、概要と自分の出来(自己判断)を書きます。
英語
- 問1(英文和訳):文構造もややこしく、難しい単語も多いかなり厄介な英文。英語力が試されます。出来は8割
- 問2(文章読解):文自体は特別長いわけではないが、難しい単語も多く、構文もややこしい。今年は和訳が多く難化していたように感じた。出来は6~7割
- 問3(和文英訳):日本語っぽく、堅い和文でかなり英語に訳しづらい。ある程度の練習が不可欠。出来は8割
数学
例年と比べると簡単だったと思います。数学の苦手な自分は助けられました。
- 問1(微分積分):一見複雑だが、発想できれば計算するだけ。出来は10割
- 問2(行列の固有値、対角化):かなり簡単な方だと思う。証明に関してはあっていたのかわからないがとりあえず書いた。出来は5~10割
- 問3(確率):例年と比べると不安になるぐらい簡単。試験後、どうやら通分ミスをしていたことが発覚(アホ)。出来は9割
化学
工学部もですが、阪大の化学は、受験科目が化学だけの学校と比べると簡単な方だと思います。
- 問1(物理化学):マイヤーの公式に関する証明や、様々な過程のΔHなどの状態量変化を求める問題。証明に時間を使いすぎてしまう。出来は6割
- 問2(無機化学):化学結合に関する問題。ダイヤモンドとグラファイトの違いについて。基本的な問題。出来は8~9割
- 問3(有機化学):エポキシドに関する問題や、ベンゼンに置換基を導入していく問題。高専での有機化学ができていれば問題ないレベル。出来は9割
物理
- 問1(力学):選択せず
- 問2(電磁気学):時間切れで白紙。出来は0割
- 問3(熱力学):あまり対策していなかった気体運動論の問題。化学で時間を使いすぎ、残り時間がわずかで、解法が吹き飛ぶ。出来は2割。壊滅。死。
(注)来年以降、化学応用科学科の化学の試験は無くなり、物理の試験だけになるようです。化学の勉強法は阪大工学部に関してもあまり変わらないとは思います。
面接
面接は、事前に基本的な質問に関しては回答を考え、準備しておきました。
当日は受験会場から、コースごとに待合室に移動し、一人ずつ面接会場に案内されます。
面接官は4人で、まず、志望動機について聞かれ、それ以降はその内容から派生したりしながら、聞きたいことを聞いていくという感じでした。
聞かれた内容は以下のような感じです。
①志望動機
②卒研の内容
③高専で頑張ったこと
④物理の試験はどうしたの?(時間が足りなくて焦り過ぎて解法が飛びました、普段なら解けましたと苦しい言い訳)
⑤興味のある研究
⑥苦手な科目
⑦博士過程には興味があるか
⑧併願校について
とにかく、聞かれた内容について熱意が伝わるように精一杯話しました。先生方にも、人柄や高専での成績を褒めて頂けました。
結果、化学工学コースは3人受験して、僕を含めて2人合格でした。
後輩に伝えたいこと
長い編入体験記、ここまで読んで頂きありがとうございました。
冒頭に載せましたが、編入用のTwitterアカウントを作成したので、個人的な質問がある方はそちらまでどうぞ(^^)
僕は編入試験の勉強を始めるのが人よりも遅く、決して余裕での合格ではなかったと思います。運も味方してなんとか合格出来たのかもしれません。
でも、最後の4,5か月は、始めるのが遅いなりに、後悔の無いように勉強してきました。その先で手に入れた合格は本当に嬉しいものでした。
やらずに後悔するより、やるだけやってしまった方が良いです。もしダメだったとしても、編入勉強を通して、自分の人生の中で得られる物は必ずあると思います。是非最後まで諦めずに頑張って下さい!
また、編入を考えている1~3年生の皆さんは、是非試験勉強はしっかりとやっておいた方が良いと思います。編入試験にも推薦のある所もあるので、選択が広がります。
努力は必ず報われます!
オススメの参考書
特にオススメのものには☆をつけています!(最大3つ)
英語
- 速読英単語(必修編、上級編)☆☆☆
- 演習英熟語600 ☆☆
- 鉄緑会 鉄壁 ☆☆☆
- DUO 3.0 ☆☆☆
- 英文法・語法正誤問題速攻100題 ☆
- 英文法必修問題精講(Basic edition)
- mikan(英単語アプリ)☆
- ポレポレ英文読解プロセス50 ☆☆☆
- 大学入試短期集中ゼミ英語構文 2019
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- 大学入試最難関への英作文ー書き方へのストラテジー ☆☆☆
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- 少しはやる気がある人のための自学自習用有機化学問題集 ☆
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- 電磁気学演習(理工基礎 物理学演習ライブラリ)
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