はじめに
一般の試験と大きく異なり、情報が少ない編入試験にはどのように取り組んでいけばよいのでしょうか?
この記事では、名古屋大学編入試験の基本情報および傾向・対策やおすすめの併願大学など、合格に近づくための情報をまとめています。この記事を参考にすれば、充実した受験ライフを送れること間違いなしです。
※この記事は、「高専テクノゼミ」の提供でお送りします!
基本情報
キャンパス
愛知県内に複数のキャンパスを有しています。
主に東山キャンパス、鶴舞キャンパス、大幸キャンパスがあります。基本的には4年間東山キャンパスで過ごすこととなります。
東山キャンパス内には広い芝生、大学近くには東山動物園が位置しており、居心地の良い素敵な場所となっています。また、キャンパス内に駅があるのも魅力的です。
学科
高専から名古屋大学への編入は文学部、教育学部、法学部、経済学部、情報学部、工学部の6学部で認められています。特に工学部には、化学生命工学科、物理工学科、マテリアル工学科、電気電子情報工学科、機会・航空宇宙工学科、エネルギー理工学科、環境土木・建築学科の7学科があります。編入試験受験生は、希望学科を1つだけ選択して受験します。
出題科目
数学、英語(TOEFL/TOEIC)、物理・化学、専門(面接)
入試時期
8月初旬
試験の傾向と対策
頻出分野はあるものの出題範囲が固定されていないため、幅広い分野を勉強しておく必要があります。微分・積分・微分方程式、線形代数(行列)、確率の範囲が頻出となっています。
あまり馴染みのないベクトル空間の分野が出題されたり、確率問題の難易度が高いのが特徴です。しかし、易しい問題も多いため苦手分野をなくすよう勉強することで高得点も狙えます。
詳細範囲
過去5年分の問題(概要)と、過去問研究・過去問特訓の対応範囲です。
年度 | 大問 | 概要 | 徹底研究 | 過去問特訓 |
2018年 | 大問1 | 偏微分,関数の存在 | 2章、6章、11章 | 1章、2章、5章 |
大問2 | 場合の数,条件付確率 | 14章 | 7章 | |
大問3 | 不定積分,2階微分方程式,同次形 | 2章、8章 | 1章、3章 | |
大問4 | 固有値,固有ベクトル,行列のべき乗 | 12章 | 6章 | |
2017年 | 大問1 | 行列の階数,連立方程式,固有値,固有ベクトル | 9章、12法 | 4章、6章 |
大問2 | 定積分,偏微分,1階微分方程式(非線形) | 3章、6章、8章 | 1章、2章、3章 | |
大問3 | 離散確率 | 14章 | 7章 | |
大問4 | 基底変換,微分方程式(初期値) | 8章、11章 | 3章、5章 | |
2016年 | 大問1 | 固有値の個数条件,固有ベクトル,対角化 | 12章 | 6章 |
大問2 | 離散確率,期待値・分散 | 14章 | 7章 | |
大問3 | フーリエ級数展開,不定積分 | 2章、16章 | 1章、8章 | |
大問4 | 基底変換行列,直行行列 | 9章、11章 | 4章、5章 | |
2015年 | 大問1 | 固有値,固有ベクトル,行列のべき乗 | 12章 | 6章 |
大問2 | 2階微分方程式,2階微分方程式(変数係数,誘導付き) | 8章 | 3章 | |
大問3 | 基底 | 11章 | 5章 | |
大問4 | 定積分における変数変換,極大値の存在条件 | 1章、3章 | 1章 | |
2014年 | 大問1 | ラプラス方程式(調和関数),境界条件 | 6章 | 2章 |
大問2 | 固有値・固有ベクトル | 12章 | 6章 | |
大問3 | 定積分(t=tanxの置換),微分,曲線の長さ | 1章、3章、4章 | 1章 | |
大問4 | 数列の収束・極限 | 5章 | 1章 |
名古屋大学の対策では、徹底研究のレベルは完全にマスターしましょう。過去問特訓に関しては、応用数学を含めてB問題まで解ける状態を目指しましょう。余裕があれば過去問特訓のC問題をやってみたり、他の大問より難易度が高い確率の分野については、ほかの参考書に手を出してみると多くのレパートリーに対応できるようになります。
おすすめ参考書
『細野真宏の確率が本当によくわかる本』
名古屋大学は離散確率の難問が出題されることが多いですが、この参考書にも似た問題が掲載されているため、これさえ完璧にすれば十分に対応できます。
『ベクトル・行列・行列式 徹底演習』
線形代数の発展的な内容を含んだ演習書です。高専で扱う一般的な教科書・問題集よりも一歩立ち返って深い内容まで扱ったものですので、高レベルの大学を目指す方にはおすすめの一冊です。名古屋大学の線形代数は出題範囲が多様なため、しっかりとした理解が必要です。
おすすめの併願大学
東北大学
名古屋大学と同じく4科目(+面接)の試験となっていることから併願大学としておすすめできます。受験の時期が8月末であるため、名古屋大学の滑り止めとして受験する学生が多いです。
東京工業大学
こちらも同じく4科目(+面接)の試験となっているため、名古屋大学の併願大学としておすすめできます。
さいごに
本記事では、名古屋大学の傾向と対策についてご紹介しました。
受験科目が4科目+面接と、他の多くの大学と比べて多く、幅広い能力が求められます。数学では基本的な問題が多いですが、英語(TOEFL/TOEIC)では高得点が必要なため、早期から勉強・対策をすることが合格のカギとなります。
傾向・対策や参考書など、本記事で記載した内容を参考にしていただけたらと思います。
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